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励まし

作者: メリー

昔、とある先生に言われたことを自分なりに考えてみました。

突然だが、この話を読んでいる方々に忠告をしたい。

この話は決して明るい話ではない、むしろ追い込むようなの物語である。

さて、では話を始めよう。先ほども言ったが、人を精神的に追い込むような物語のため駄文ではあるが、伝わりにくい文でも、しっかりと受け止めていただけると嬉しい。


とある学校のとある日、何の変哲もない学校の毎日のような風景だ。

優等生で皆に人気のあるもの、毎日のように遅刻をするがどこか憎めないお茶らけたやつ、部屋の隅や自分の席で本を読み続ける本の虫、無条件に一部の男子を嫌うどうでもいい女子、よくわからんがとりあえずよし。などどこにでもあるような一つの風景である。

そんな中の一人はこれと言ってクラスで人気があるわけではないが、特に不便もなく話しかければ話が合っていれば話しに入れるような、中性なひと。

そして、その中性なひとと特に仲のいい嫌われ者。

なんであんな奴と付き合っているのかと聞かれるが、別に悪い奴じゃないと答える。

まぁ、学生なんてものは大して嫌いな部分がなくてもとりあえず誰か省くように仕向ければそれはそれで一つのバランスが保てるというもの。

本人も、特に気にせず中性なひとと楽しく学校生活を送っていた。

と、彼の過去の話はこの辺にしておこう。


彼も今のご時世高校に行くという日本ではごく当たり前と思われていることをする。

可もなく不可もなく普通に入学、新たに仲間に出会うことに期待に胸を膨らませる。

だが、期待というのは二つの方向にしか転がらない。答えられるか、裏切られるか。

期待をするということは答えられることを希望するということである。だが、それは逆にいえば裏切られた場合のことを見失っている。

話を戻そう。彼は高校に入学し、ちょっと悪い程度の成績に収まっている。

これだけならば、ただ単に少し勉強が苦手であると取れよう。

彼はそれを補うかのように、部活に入った。中学の時も部活によって微妙な単位を取って高校に入った。

だが、その世界は中学の時のように「とりあえずやっておけばいい」なんて状態ではなかった。

ちなみに、「とりあえずやっておけばいい」という状況は、部員が多く自分のやるべきことのみをやっていれば誰も文句は言わないような状況だった。

だが違った。彼は何も知らずに部員の少ない部に入部した。しかも、その部はみなやりたいようにやり、仲が良く輝いていた。

彼は、この光景に驚いた。

彼の中では部活とは、「人数が多く、うまい人が出るべきとこに出る。」その考え方だった。

だが、その部活は「下手でもいいじゃないか、これからうまくなればいい。」なんていうとてもとても前向きな考え方だった。

それは、彼に衝撃を与えた。「彼のいた世界は、下手な奴はとりあえずおいといて放置するという考えだった。」

簡単に言うなら、「運動のできないやつを体育の授業でチームに入れたくないというやつである。」


そんな状況で活動し、学校に通い続けること数カ月。

中学と同じように無条件に嫌われて、それを当り前のように眼中から外しやるべきこととやりたいことをやっている。

そんな中、彼はこんなことを思い出した。

「なんでこいつらはおれにこんな接し方をするのだろう?」

これは、普通には考えられない疑問であった。

嫌われと放置の世界で生きてきた彼にとって、無駄に優しく、そして暖かく接されたとき、どうすればいいのかわからない。

解らないが故にそのように接されることを嫌いだした。

今まで、うわべだけとか、みじめだからだとか、そういった理由で接してきたやつはいた。だが、今回は無条件であった。

そのうえ、真っ直ぐに向き合い、とばっちりではなく、自分自身に面と向かって意見等をぶつけてくる。

もちろん、彼はそれに対して何をしたらいいのかわからない。今までなら、聞いているふりをしてはいはいと言っていれば、とばっちりだからこそ何とかなった。

だが、あくまでも自分に向かって言われている。それは本当に対処に困った。今まで道理に対応してはいけないとわかっていても、そうするしかなかった。

そんなこともありながら、気の合う人を見つけ、その人とのかかわりを大切にした。

だが、とある日に彼は先生にこんなことを言われた。

「最近大丈夫?」と。

彼にとっては何が何か分からない。まるで自分が今までよりも悪い方向に回っているかのように。

先生と同じことを、周りの人にも言われ、本当に何がなんなのか分からなくなってきた。

しかも、それによって皆、自分に接してきた。

彼はそれに対して、知らず知らずのうちに嬉しくなっていた。まるで居場所を見つけたように。

だが、彼はある時、ある建物の屋上に来ていた。

その光景は、自殺をしようと屋上に来たようにしか思えない。

そして彼を止めようとするひとが、彼に向かって説得を試みる。

だが、ある一言を最後に、彼は墜ちた。

その一言はあまりにも前向きで、そして言ってはいけない一言だった。


彼が最後にかけられた言葉。

それは「頑張れ」

私が、この作品で言いたかったことを簡単に書き起すと。

優しく接する=救いではないということです。

頑張って頑張って頑張って限界を迎えた人にさらにがんばれと言えば、その人はパンクしてしまうということを先生から聞いたことがあります。

こういったときにかけるべきことは先生曰く「お疲れさま」だそうです。

もうその人は頑張ったんだから、今度はこっちががんばってあげるっていう感じだそうです。

でも、本当に優しかったり、真っ直ぐな態度は時にプレッシャーとなり、その人を追い詰めているかもしれないということがあるかもしれません。

私は、あまり人のことをしっかり解ってあげられる人間ではありませんが、追い詰めていないことを祈りたいです。

では、皆さんも優しい態度が本当にその人にプラスなのかを偶には考えてみてください。

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