僕の姫サマ。
長い間ずっと想っていた。
向日葵みたいに元気に笑う君が好きで、好きで。
だけど。
君は僕の気持ちなんか知らずに今日も隣で笑っているんだ。
幼馴染という、厚い壁。
近くて遠い、そんな関係。
朝。
ドドドドドドドドドドドドドドドドーーーーーーーーッ!!
きた。彼女のお出ましだ。
「カッケルーーーーー!!朝だよグッモーニーン!!起っきろーーー!!」
ばーーーん。・・・ああ、僕の部屋のドアが・・・。ついに、壊れた・・・。
まるで面子でも打ちつけるように床になぎ倒す。
「はいはい。起きてる、起きてるってば・・・。」
まだ重たい体をゆっくりと起こす。ああ、この起こし方はどうかと思うけど。
なんだかもう、慣れてしまっていた。
「っていうか、陽毬どうすんだよ。このドア。オマエ壊すの何回目だよ」
ああ、ほんっと。なんだかなあ~・・・。
「そんなの知らないわ。壊れるこのドアが悪いんじゃない?」
陽毬は、フンッと鼻を鳴らす。
「それに毎朝起きないカケルも悪い。私はなにも悪くないわ」
みろ、この女王っぷり。姫・・・というより、もう女王なんじゃないすかね?
たしかに、起きない僕も悪いけど・・・。
「壊すことはないんじゃない・・・?」
僕は陽毬に壊されて横になっている3代目マイ・ルーム・ドアをみやった。
「はあ?」
ギロッ。まさにそんな効果音がぴったりなくらい睨まれた。
・・・怖えー。陽毬サン、超怖えーーーーー・・・。
「早く仕度しなさいよ!学校遅れる気?今日から高校生なのよ!?」
陽毬がバッと勢いよく立ち上がる。
「・・・入学式に遅刻とか、超ありえないから」
そうすると陽毬は自分のカバンを持って外にでようとする。
「ままま、まって!まって!!」
僕は急いで着替えて家を出た。
彼女のカバンには昔僕が彼女にあげた、
可愛さのカケラもない、酢コンブのキャラクターストラップが揺れていた。
まあ、彼女が気に入っているならいいけど。
僕のカバンにもまた、色違いのものがついている。
鳥が鳴く。風が横を通り抜ける。照りつける太陽。木の陰を通り抜ける。
今日からもう高校生。
僕は今日も彼女の背中を追いかけていた。
この作品が初小説です。どヘタですが、心をこめて書いていきます。
たくさんの方に読んでいただきたいです。