ペンギンちゃんはキライしか言えない
ある日、ペンギンちゃんは魔王の魔法にかけられてしまい、キライしか言えなくなってしまいました。
キライしか言えないペンギンちゃんはだんだん周りの人が離れていきました。
「ペンギンちゃん、なんか感じ悪いね。」
「キライって言われると凹む。」
「なんでキライしか言えないの?」
けれどそんな時、イルカくんだけはずっとそばにいてくれました。
イルカくんは文字が書けないペンギンちゃんに書き方を教えてくれたのです。
そのおかげで魔王の仕業と伝えることがようやくできました。
周りの人はまた話しかけてくるようになりましたが、
一度距離ができてしまうとなかなか前のように仲良くというわけにはいきませんでした。
やがて、カニくんとクアッカワラビーちゃんが魔王を倒したとスズメくんから手紙が届きます。
スズメくんはイルカくんとペンギンちゃんの友達です。
「チュンチュン!」
海の岩場にスズメくんが一羽止まりました。
イルカくんの為に手紙を持ってきてくれたようです。
「スズメくん、ありがとう。そうか、じゃあ一刻も早くペンギンちゃんに会いに行かないとね。
きっと話せるようになっているはずだから。」
「チュン!」
スズメくんは手紙を渡すと再び空の向こうへ飛んで行きました。
「イルカく〜ん!!」
ちょうどその時、ペンギンちゃんの声が向こうの方から聞こえてきました。
「あ、噂をすれば。」
「はぁはぁ・・・イルカくん、私、話せるようになったよ!」
ペンギンちゃんが息を切らしながら走って来ました。
「良かったね。魔王を倒したって手紙、ペンギンちゃんの元へも届いた?」
「うん!」
「そっか。」
「私ね!ずっと言いたかったことがあるの!」
「うん?なに??」
「イルカくん大好きだよー!!」
言葉が話せるようになったペンギンちゃんはストレートに想いをぶつけます。
そんなペンギンちゃんにイルカくんは照れてしまったようです。
綿あめのような白い雲がぷかぷかと浮かぶ青い空の下。
イルカくんが顔を真っ赤にして海の向こうへ泳いでいき、その後ろをペンギンちゃんが追いかけていくのでした。




