詩小説へのはるかな道 第42話 風の声を聴く人
原詩:風の声を聴こう ー 信じようと思う詩
ひとり 夜の闇におびえるとき
やわらかな声が 闇に灯をともす
「そのままでいい」
と 風がささやく
涙の跡を 月がなぞって
まだ見ぬ朝を そっと照らす
「答えは来る」
と 星がまたたく
別れのあとでも 手放せない記憶
それでも 夜は明けていく
「今を生きよ」
と 光が言う
私の祈りが 届くころ
あの人もまた 風の声を聴くだろう
「そのままでいい」
風の声を 信じてみよう
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詩小説:風の声を聴く人
夜更けの駅前で、灯りの消えたベンチに彼は座っていた。
裏切られ、仕事も恋人もを失ってしまった。
「いったい俺の何が悪かったんだ…」
つぶやいた問いが、冷たい闇に溶けていく。
そのとき、風がふと吹き抜けた。
駅の時計が鳴る。午前零時。
「そのままでいい」
誰かが言ったような気がした。いや、風が言ったのかもしれない。
彼は顔を上げる。
空には、涙のような星が瞬いていた。
「答えは来る」
星が語りかけるように、夜空がやさしく包み込む。
彼は立ち上がる。
俺は懸命に生きた。裏切りはしなかった。
家に帰ろう。
苦しく眠れない夜、それでも夜は明ける。
「今を生きよ」
窓の向こうに、朝の光が差し始めていた。
彼は起き上がり、窓を開けた。
風がいつくしむように、彼のほほを撫でていく。
「そのままでいい」
そして、遠く離れた町で、ひとりの少女が夢の中で風の声を聴いていた。
「そのままでいい」
彼女は目を覚まし、涙をぬぐう。
彼女は思う。
なぜ泣いているのだろう。
窓辺で風にほほを撫でられていた彼は、いったい誰だろう。
少女はもうじき、彼と出会うだろう。
風は、誰かの祈りを運ぶ。
そして、誰かの心に灯をともす。
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌:風の声を聴く人
灯り消え 駅前ベンチ 夜更け坐す
問いは闇へと 溶けてゆくのみ
零時鳴る 風の囁き 「そのままで」
涙の星は 答えを告げる
裏切らず 懸命に生き 家路へと
夜は明けゆく 光差す窓
風やさし ほほを撫でつつ 「そのままで」
朝の光に 眠りはほどけ
遠き町 少女の夢に 風の声
祈りを運び 灯火ともす
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




