おまけ
「ふっ。アンが作った頑丈さに振った長剣、ジルによる固定、そして私の絨毯!これで最強のセインが完成だ!」
「えと、え?」
じーちゃんが目を白黒させている。うん。家に帰ってきたと思ったらいきなり絨毯に乗せられてこれだもんな。気持ちは分かる。
「あなたー頑張ってー」
ばーちゃんは邪気の無さそうな輝く目をまた一段とキラキラさせながら、澄んだ笑顔で言った。これはひどい。
「わたしは止めたんですけどー、その、奥様が……」
涙目のクリスタがアワアワしながら言う。クリスタはこの家の使用人の1人だ。ああ、今日が当番だったばかりに。俺は涙を拭う動作をした。クリスタが微妙な顔をした気がするが気にしない。
「まあ、その。じーちゃんがんばって」
俺の気まずそうな顔を見て全てを察したらしいじーちゃんが遠い目をした。
「アルマの悪癖か。落ち着いたと思ったのに」
「ラウルが良いアイデアを出してくれたからね!」
ニンマリ笑うアルマを見た後じーちゃんは信じられないものを見る目で俺を見た。俺は必死に首を振った。確かに長剣にした方がいいんじゃね?じーちゃん剣士だしとかアンばあちゃんに面白がって言ったような気もするけど、俺は主犯じゃない。
「さーて、最強になったセインをどこに飛ばそうかな?やっぱハーピィの群れかな?おら行ってこい!」
「うわああああああああああああ」
ものすごい勢いでカッ飛んでいくじーちゃんを俺はなんとも言えない気持ちで見つめた。




