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伝説の婆さん達は今日も騒がしい  作者: 神谷洸希
1章

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1-1 プロローグ

「あなたはクビです」


 目の前に立つ女が俺を指さして言った。



 ▫



「せんぱーい元気出してくださいよ」


 そう、明るく言ってくるのは、俺が勤める研究所の後輩の女……いや正確には勤めていた、か。


「確かに先輩は?結果出せないし?金食い虫ですし?うっかり高い機材壊すし?クビになる理由しかないですけどー」


「あー!もう!分かってるから言うな!」


 持ち物を片付けて職場だった場所から去ろうとしたところで、後輩に絡まれている。


「これからどうするつもりですか?」


 急に真面目な顔で聞いてくる。


「……別に俺、働かなくても生きていけるし」


「うわクズ発言」


「だって事実だろ!?俺のじーちゃんはあの有名なセインだぞ。俺一人くらいなら一生遊んで暮らせるわ」


「知ってますよー。はあ、あの英雄セインの孫がこれとはガッカリです」


 両手をあげてやれやれと首を振る。その大仰な仕草に、今までと同じで俺をからかっているだけだと分かる。


「じーちゃんと俺は別人だし、どうでもいいだろんなこと」


「ふふふ。また何かやりたくなったら私に言ってくださいよ、助手として雇ってあげます」


「……。その時は頼むわ」


「ええー?冗談ですよー」


「……」


「うそうそ。うそ、です。えへへ」


「ったく。……ありがと」


 後輩なりに俺を気づかってくれたのだろう。俺はなんだかんだ恵まれてるな、と思いながらお礼を言って馬車に乗るのだった。


 ……まあこれから実家に帰ってニートになるんだけど。



 ▫



「はあ……」


 じーちゃんの倉庫にある武器を適当に弄る。楽しそうな本はあらかた読んでしまったし、楽しくない本を読むのは、やっぱりつまらない。完全に時間を持て余していた。


 俺の祖父は世界を救った英雄……らしい。そもそも俺の家は剣技に優れた騎士の家系とかで、まあ功績もあってそこそこの地位にいる。貴族の特権を持つ平民くらいの立ち位置か。


 そんな疎まれそうな立ち位置にいながら、これだけの資産があるのはやはり祖父の活躍あってこそだろう。世界中に突如出現した多くの地下迷宮を踏破し、世界を地下迷宮で埋めつくそうとしていた侵略機構を破壊した……んだったか。あまり興味が無いので大まかにしか分からない。


 じーちゃんが地下迷宮で暴れ回っていた頃に収集した武器がこの倉庫には眠っている。じーちゃんは剣しか使わなかったらしいので剣以外はあまり把握していないし、管理もずさんで乱雑に置かれている。だから俺がこうして磨いているのだ……なんてね。


『久しぶりじゃんラウル』


 暇すぎて武器が話しかけてくる幻聴が。


『もう、ラウル!何考えてるか分かるよ!ボクのこと忘れたとか言わないよね!?』


 うん。幻聴じゃなかった。


「お前……まだこの倉庫にいたんだな」


 今俺が磨いている武器は、昔俺がよく使っていた相棒だった。硬さ、切れ味はもちろんのこと、会話できるし変形するし、なんなら単体で攻撃できるしで、なんでもできる武器?武器なのか?とにかく便利だからもう誰かが持っていったと思ってた。


『ボクはラウル以外に扱えないって何度も言ってるでしょーが』


「まあこの家で剣以外を使えるのは俺くらいだが」


『そういうことじゃなーい!てか大人になったねラウル?』


「あれから5年くらい経ったしな」


 別に何か重い過去でもあるわけでもなく、ただ学生時代のまだ暇だった時期に、コイツを使ってちょっと遊んでいただけである。


 そもそも俺は騎士にも戦士にもなるつもりがなかったので、武器は不要なのだ。


「この倉庫、こんなに広かったか……?」


 久しぶりに相棒と会えたので、さっきから気になっていたことを恐る恐る聞いてみる。


『うん。なんかダンジョン化?してるっぽいよね!』


「俺出れそう?」


『ラウルなら大丈夫じゃない?』


「それ本当に大丈夫か?」


 この陽気な変形武器は俺を過大評価している節がある。まあそりゃ俺は強いが?


「とりあえず戻るかぁ」


 来た道を戻って行く。もちろん何があるか分からないので相棒もいっしょだ。


『ええー。レイチェルとも会ってあげてよ』


「レイチェルって?」


『モーニングスターのレイチェル』


「知らない子ですね……」


 そんなことを話していると、見覚えのない扉に辿り着いた。

 凝った装飾が施されているが、どことなく禍々しさを感じる。


「っかしいな、こんな扉なかったぞ」


『えー?ラウルが道間違えただけじゃない?』


「にしたってこんな扉ないだろ。ただの倉庫だぞ」


『確かにボクも見たことないかも』


 この変形武器は単独行動もできると知っているので今さら反応はしない。……倉庫の武器全部知ってるとか言わないだろうな。


『開ける?開けようよ』


 武器……一応デヴィンという名前があるらしいのでそう呼ぶ。デヴィンの言葉に従うわけでもないが、俺はその扉に手をかけた。


「うん。開かねえな」


『おっけー。任せて!』


 デヴィンがドリルの形に変形し、俺の腕に巻き付く。


「おらっ!」


 俺が正拳突きするのと同時にドリルは回転し、そのまま穴が空いた。石製ならこんなもんだな。


「俺手入れても大丈夫そ?」


『うん。毎回それ聞くよね』


「いやー、手突っ込んでチョキンってやられたら嫌じゃん?」


『ダンジョンにそんな仕掛けないと思うけどなぁ』


 扉に頭を当てる。特に音は聞こえない。すぐ近くに何かいるわけではなさそうだ。少し遠目から覗いてみるが、暗闇しか見えない。

 空いた穴に手を入れる。


『どう?鍵ありそう?』


「うーん、なさそうだな」


 この扉には所有者がいて、その許可がないと入れないとかだろうか。


「ボウガンになれるか?」


『もちろん!何するの?』


「そりゃこうして」


 ポケットから紙を1枚取りだして助けを求める文字を書いておく。それをデヴィンに装填された謎の光の矢に巻き付けて、と。


「こう!」


 矢を放つ。


 元来た道を戻ってきたのだから、この扉も外に繋がっているんじゃないかなという希望的観測。


『なるほどー!頭いー』


「煽ってんのか?」


 急に矢が飛んで来ても避けれるやつしかいないので、そこは安心だ。英雄であるじーちゃんを守るんだからそれくらい強くないとな。

 ばーちゃんは一般人だし全く強くないが、その分警備も厳重なので気にしなくていいだろう。


 そんなことを考えていると、扉が勝手に修復していくところが見えた。地下迷宮にはよくあることだ。

 この仕組みが使えれば、災害に遭っても再生する家屋が作れる……と思ったんだが、災害に遭った時中の人は?と言われてあまりいい反応は得られなかった。どうやら現代の家屋は住人を守護してこそだと考えられているらしい。


「後は待ちだな」


『えー』


「安全第一だ。俺は戦士じゃないからな」


『もうちょっと探索しない?』


「……」


『このままだと暇だよ?答えが返ってくるとも限らないし』


「……確かに」


『さっすがラウル分かってるー』


 俺がデヴィンを掴み直すと、それが合図だと思ったのかご機嫌になった。

 思い通りになるのも癪だが、このままだとつまらないってのも事実なので歩き出す。俺はつまらないって感情がこの世で1番嫌いだ。人生はハッピーであればあるほど良いと思ってる。


「で、レイチェルってのはどこだ?」


『む、淑女に対してその扱いは良くないぞ』


「俺は誰に対してもこんなんだぞ」


『知ってるけどさー。えーと確か地下3階だったかな』


「そうか」


 思ったより探索している。俺必要か?デヴィンだけで良くない?


「階段はどこにあるんだ?」


『えー言ったらつまんないじゃん』


「そりゃそうだ」


 ということで、さっき見かけた落とし穴らしい場所の前に来る。


「何があると思う?」


『ただの床に見えるけど……』


 よし、どうやらここはデヴィンが開拓していないルートらしい。武器の意表を突くってのもなんか変だが、少し嬉しい。


「よっ」


 思いっきりその床を踏み抜く。針でも出てきたらまあなんとか耐えるとして、うん。特に何もなく、思ったより深い穴のようだ。

 デヴィンを弄って鉤爪のついた縄にする。鉤爪をさっき落ちた床の端にひっかけてっと。ここが3階層か?


「ショートカット成功」


『さすが』


 どうやら3階層で合っているらしい。辺りを見渡す。暗いが俺は暗闇でも目が効くのでなんてことはない。……やっぱ暗いわ。


「デヴィン、光くれ」


『いいよ!“光あれ”』


「助かる」


 矢を出したように、何も言わなくても光る便利な変形武器は仰々しく光り輝いた。相変わらずの様子にちょっとだけ笑いながらお礼を言う。


 概ね1階層と変わらず普通の倉庫に見える。いや、普通の倉庫はこんなに広くないんだったか。今は迷宮化していてそれどころでは無いけど。というか迷宮化って何?今更だけどそんなことある?

 ……この倉庫には何があっても不思議ではないが。


『3階はボクの友達しかいないから安全だよ』


「3階“は”?」


『5階から下は行ったことないから襲われちゃうかも』


「ええ……誰に?」


『ここに眠る武器はダンジョンマスターの所有下にあるからねー。友達特典使えないと襲ってくるよ』


「わけが分からない」


 じーちゃんの倉庫がなんかとんでもないことになっている。管理してないからこんなことになるんだぞ。じーちゃんに会ったらそう言っておこう。


「ダンジョンマスターって?」


 地下迷宮には暫定的な所有権と操作権が与えられる何者かがいる、なんて与太話を聞いたことがある。そうじゃないと説明がつかないことが多いんだとか。でも誰もその何者かを見たことがないから、やはり今の段階だと与太と言うしかないのだ。

 その何者かをダンジョンマスターと呼称しているのだろうか。


『うーん2年前くらいだったかな?なんかデカい男の像が運ばれて来てね。名前はえーと、ロマスだったかな?』


「知らないけど」


『その像がね?なんか結構知能高くてさ。ボクと会話が成立するの!すごいよね?』


「ああ」


 俺にはよく分からないがすごいのだろう。


『なんかねー、持ち主から特命?を受けてたらしくてねー、そのまま足を生やして、階層を増やし始めたんだよね』


「そうか……」


 一気に何を言っているか分からなくなったな……。


「じゃあそのダンジョンマスター?ってのが男の像?」


『んー。そうかも。分かんない』


「はあ」


 なるほど、物がダンジョンマスターって言うなら今まで確認できなかったのも頷けるか。


「レイチェルどこにいんの」


『うーん。この辺にいたと思うけど』


「もしかして移動するのか」


『うん。それも像の力らしいよ』


 その瞬間上の方でデカい音がした。


「お、来たか」


 きっと助けが来たに違いない。問題は誰が来るかという話だが……使用人の誰かならなんの問題もない。俺も帰ってきたばかりとは言え雇い主の家族だしそんなに悪いことにはならないだろう。


 助けに来たのがじーちゃんの場合はちょっと嫌だけどまあいいとしよう。優しいし、何よりこれは管理を怠ったじーちゃんの責任だ。俺に優位性がある。


 姉貴も……一応このダンジョン化の責任があると言えばあるだろう。まず俺を助けに来るとは思えないけど。


 最悪なのは……。


「ルドルフゥゥゥゥ!!!!!!」


 轟音と共に天井を破壊しながら、1人の背の低い老婆が落ちてきた。うん。最悪のうちの割と最悪な方だな。


 彼女はジルケ。じーちゃんと共に世界を救った1人である。シスター服を着ていることから分かるように、教会所属でシスターをしている。久しぶり。

 おそらくまたじーちゃんとばーちゃんのところに遊びに来ていたのだろう。よくあることだ。そして彼女がいれば、そりゃ送られてくる戦力は彼女になるだろう。うん。……うん。チラとジルちゃんを見ると憤怒の形相をしていた。


「ジルちゃん頼むから落ち着いて」


「私はここに来るまで沢山の武器に襲われてきた。今もそう。で、お前は?無傷で?しかも守られてて?」


 ああー!?そうなるのか。


 確かに今まで動いていなかった武器達は俺の周りを囲んで突然現れた侵略者であるジルちゃんを攻撃しようとしている。無謀だからやめた方がいいぞ。


 というか一緒にいるだけの俺まで守ってくれるとかデヴィンの人望すごいな。人じゃないけど。


 何が言いたいのかと言うと、今の俺はこの状況を仕組んだやつにしか見えないということだ。


「落ち着けって!」


 どこかで引っこ抜いてきたのかデカい柱を振り回すジルちゃんから必死で逃げる。老化とは何なのか。5年経っても恐ろしさは変わらない。

 そして俺の言葉はもう聞こえていないらしい。


「デヴィン!」


『りょーかい!』


 俺の思いに答えてデヴィンが大きい盾になる。

 さすが俺の相棒、最高だ。


 質量のある盾を振り抜いて、ジルちゃんが振り抜いた柱を思いっきり叩き壊す。


 殴りかかって来るが、その攻撃からは盾で身を守る。


「はあ、はあ」


「落ち着いたか?」


「なんでこんなことしたの」


 ダメだ。一応落ち着いたが、顔は険しいままだ。


「なんでって……俺は助けを求めたんだ。まあちょっと伝手があって俺は攻撃されてないけど」


「はあ?」


「うん。おいデヴィン」


『やっほー』


「……うん?」


 お、いいぞいいぞ。ジルちゃんが声に反応してキョロキョロしている。


『ボクはここだよー』


「盾?」


『うん。ボクのおかげでここまでラウルは来れたんだ。これ以降は普通に攻撃されるからそれが無実の証明ってことで、どう?』


「……。すごい盾ってこと?」


『そーいうこと!』


「そう。ならいい」


 何も良くない気がするが、難しいことはあまり考えたくないらしいジルちゃんには通じたようだ。良かった。


「ジルちゃんこれ持ってなよ」


 近くにあったモーニングスターを渡す。まあ反抗されてもジルちゃんならねじ伏せられるだろう。


 デヴィンが小さい声で、わーレイチェル久しぶりーと言っているのが聞こえる。なるほどこの子がレイチェル。


「じゃ、俺は最下層に行ってるから」


 このまま階段で下層に下がったら今と同じようにここの武器に守られてしまう。俺達が攻撃されるのは5階層からだから。


「私も連れていくように」


「……はい」


 ちょっと納得がいかない。まあジルちゃんは軽いからいいけど。


 さっき通ってきた落とし穴まで戻る。


「よろしくデヴィン」


『ラジャー』


 さっきと同じように鉤爪で引っ掛けて縄で降りていく。違うのはジルちゃんを脇に抱えているところか。片手で降りなきゃいけないから結構辛い。


「最下層って何階層なんだ?」


『6って聞いたよ』


「了解」


 5階層に降りた瞬間武器が飛んできたが、ジルちゃんが光の盾を出現させたおかげで気にしなくても良かった。……そうなんだよな、ジルちゃんって本来教会所属の人間だし奇跡で支援する側なんだよな。忘れそうになるけど。


「着いたぞ」


「ご苦労」


 ジルちゃんが憮然とした顔でスタっと降りる。


『へへ。“光れ”』


 デヴィンのおかげで周りが明るくなる。


 さてここにあるらしい男の像を探せばいいわけだが。


「あれか?」


 大きすぎて、一発で分かった。そういえばデヴィンもデカい男の像って言ってたな。

 扉の前に置いてあるようだ。なるほど普通なら像には目もくれず、その後ろの扉に入るだろう。


『そうそう』


「じゃああれ捕獲したらダンジョン化は解けるってことか」


『多分そうおそらくそう』


「よしデヴィン。網になろう」


『いいね。……どうやって上に戻るの?』


「そりゃジルちゃんに飛んでもらうんだ」


「え」


『ジルちゃんすごい』


「……しょうがないな」


 ジルちゃんはデヴィンに弱いと。メモメモ。


 近づいた後網で男の像を捕獲する。デヴィンの力なのか思ったよりスムーズに行えた。


 そしてジルちゃんは大きい光の盾を地面と水平に出現させている。そう、この盾に乗って飛べるのだ。さすが英雄の1人。


 ジルちゃんが俺を見るので網を肩に引っ掛けてそのまま乗る。重いので像は網ごと盾に置いた。


「ロマスだったか?なんか言ってるか?」


『なんか名前はロータルらしいよ。えーと。ああ、なんか目的は達成したからもういいって。破壊していいの?』


「壊すのは解析してからだぞ」


『だってさー』


 屋敷に戻れば機材がある。実家に戻って一番最初に俺がしたのは、研究所にあった機材を一通り揃えることだった。俺のわがままを叶えてくれたじーちゃんとばーちゃんには感謝してる。


 そしてジルちゃんがそのまま入口だったらしい扉を粉砕して、俺達は脱出することができたのだった。



 ▫



『どう?』


 そう。俺はうっかりデヴィンを外に持ち込んでしまった。あれからずっと解析しているが、その間ずっとデヴィンに話しかけられていていい加減鬱陶しくなってきた。


「エネルギー源が分からない」


『……ん?つまりそれ以外は分かったの?』


 ロータルという像は、俺の部屋に置かれてからずっと大人しかった。そのため解析もすごくスムーズに進んだ。俺じゃなくても解析は容易かっただろう。なぜこんな単純なことが他の研究者はできなかったのか。それはこれを手に入れられなかったからで……。俺は大事なことに思い至りそうだったが、見なかったことにした。


「この中にシステムが組んである。迷宮を適宜広げるように。中に入ってきた者を攻撃するように。それを作成していたのが侵略機構だったってことかね」


『システム?あー、召喚魔法陣みたいな感じ?』


「そういうこと」


 召喚魔法陣。システムに基づいて、使用者に応じた使い魔を召喚し、それに合わせた仕組みを構築することで従えることができる……落書きみたいなやつだ。エネルギーは魔力、ええと生命エネルギーみたいなもんだったか?で補える。

 その召喚魔法陣と似たような仕組みを3次元空間で行っているのだ。


「エネルギー源と言えばお前もどうやって動いてるのかよく分からんが……」


『ボク?ボクは空気で動けるから』


「地下迷宮もそういうことなのかもな」


 とはいえどうやってエネルギーを得ているかは謎だ。


「んー、小規模なら再現できるか?家に召喚魔法陣に関する本あったかな」


『お、いいねー。ミニチュアダンジョン?完成させたら見せてね!』


「分かった」



 ~


 それから3ヶ月後、俺は魔力を動力とした手のひらサイズのダンジョンを作ることに成功し、地下迷宮の研究者の中でちょっとだけ有名になったのだった。





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