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登場メカ

** 黒鉄(くろがね)攻一郎(こういちろう)闇黒(あんこく)探偵)が所有するもの


闇黒(あんこく)機人(きじん)A1号

 高さ三十メートルの巨人型ロボット。世界に一機しか存在しない。

 設計・建造は黒鉄攻一郎の実父、元一郎博士。

 攻一郎すなわち闇黒(あんこく)探偵(たんてい)の声を聞き、その命令に従う。

 半径二キロメートル以内なら、攻一郎の(ささや)き声さえも感知できる。

 攻一郎の命令を電子頭脳が解析し、行動に反映するまで僅かだが時間を要する。

 遅れなく正確に動くためには、攻一郎自身がA1号の胸部操縦室に乗り込んでレバーやペダルを使って直接操縦する必要がある。

 闇黒(あんこく)物質(ぶっしつ)(ダーク・マッター)製。

 普段は、日本上空の雲の中で待機している。

 大気中の水分を操作して周囲に雲を生成し、その中に隠れることもできる。

 地球上のいかなる探知機でも発見できない。

 闇黒物質は人間を含む全ての動物の目に映らないはずだが、未知の効果により、A1号は群衆の前に姿を現すことが出来る。

 空を飛ぶ時は、片膝をついて周囲に球状の黒いバリヤーを展開し、何らかの反重力的な作用で浮かび上がる。

 必殺技は「闇黒剣(あんこくけん)・ダーク・スラッシュ」


〇強化防護服S1号

 世界に一着しか存在しない。

 設計・製作は黒鉄元一郎博士。

 闇黒(ダーク・)物質(マッター)製。

 この強化防護服を着ることで、攻一郎は闇黒探偵になる。

 装着した人間の感覚、運動能力、防御能力を飛躍的に向上させる。

 ビルの壁に横向きに立って走ったり、天井に逆さまに立って走ることが可能である。

 富士山の山頂より高い位置から飛び降りても、着地の瞬間に全ての運動エネルギーを吸収し蓄える。装着者は無傷のままでいられる。

 地上のどんな乗り物よりも速く走る。

 つねに全身から微弱な特殊エナルジーを放出している。この放射エナルジーは周囲の生物の認知能力に影響を与え、強化防護服着用者の特徴をその記憶から消し去ってしまう。

 結果、周囲の人間は着用者の顔の特徴をどうしても憶えられないし、犬はその匂いを憶えられない。

 機械に対しては、カメラ内のフイルムや受光素子を誤感応させる作用がある。

 そのため、闇黒探偵の写真を撮影しても真っ黒に塗りつぶしたような像しか映らない。


〇白いマフラー

 闇黒探偵が首に巻いている白いマフラーは、鼻と口を覆う事で有毒ガスを遮断できる。

 また、呼気の二酸化炭素を分解して炭素を吸着し、還元された酸素を吸気に送り込むことができる。


〇手提げトランク

 強化防護服S1号は、普段は特殊な手提(てさげ)トランクに入っている。

 トランクは万能自動(オート)三輪後部座席下の秘密の隠し収納庫か、あるいは闇黒機人の操縦室内に収められている。

 表面には革を貼ってあるが、内側は耐熱・耐衝撃・防水の頑丈な合金製である。

 鍵穴やダイアルの(たぐい)は無く、攻一郎の「(ひら)け、トランク」という(ささや)き声に反応して自動開錠する。

 A1号およびB2号に搭載されている特殊なレーダー装置のみが感知できる秘密の信号波を発振するよう設定できる。


〇万能自動(オート)三輪B2号

 自動三輪「ダイハツ・Bee(ビー)」を(もと)に、攻一郎が自ら改造をほどこした乗り物。

 闇黒(ダーク・)物質(マッター)ではなく、通常の合金製。

 定員4名。

 数多くの秘密装置が組み込まれている。

 基になったダイハツ・Beeと比べ、全高は変わらないまま前後長と横幅が拡張されて一回り大きくなり、それに合わせてホイール・ベースとトレッドも伸ばされ、室内容積も増えている。

 電動ステアリングを搭載し、前輪の切れ角は左右合計で百八十度近い。そのおかげで、非常に小回りが効く。

 車体底面に折りたたみ式の翼を隠し、それを左右に展開することで空を飛ぶ。

 両翼の先端に、これも折りたたみ式のチルト・ローターを備え、それを推進力およびホバリング時の揚力に使っている。

 特殊な形状のローター羽根により、高い推進効率と静粛性を得る。通常のヘリコプターに比べて非常に小さなローター径であるにも関わらず、充分な推力と揚力を持つ。

 ローター音は、近づいても一般の乗用車が走る程度の大きさで、黒鉄攻一郎の隠密活動に役立っている。

 車体の先端に気球が収納されていて、翼とローターを広げるのに充分な広さが無い場所でも先端を上にして空に浮かぶ事ができる。

 まずは先端から小さな気球を出して空に浮かべ、その小気球から下に伸びたロープを使って大きな気球を釣り上げて空中で膨らませ、今度はその大気球が長いロープで車体を釣り上げる。

 気球には特殊なガスがチューブ状の吊り下げロープを通して送り込まれる。この特殊ガスには非常に強い浮力があるため、自動三輪を釣り上げるほどの力を持ちながら、気球の体積は熱気球や水素気球と比べ遥かに小さい。

 いったん空に浮かんだあとは、翼を展開しローターを回して揚力を発生させ、気球および中に充填された浮力ガスは再度車体内に回収・格納される。

 水上を航行する能力も有し、限定的だが水中潜航能力も有する。ただし、潜水可能深度、水中航続距離・時間ともに本物の潜水艦に比べて遥かに劣る。あくまで緊急避難的な能力である。

 車体の後ろにトリモチ・ボール発射装置を隠し持つ。

 これは後続の車に向けて多数のトリモチ・ボールを連射する装置である。

 トリモチ・ボールはゴルフ・ボール大の白い球体で、車体内格納時から発射直後までは個体だが、敵の自動車に当たると衝撃で液状化してラジエーター・グリルなどからエンジン・ルームに侵入し、ラジエーター、エンジン、トランスミッション、ハンドル軸、ドライブ軸などに(まと)わり付き、空気と反応してネバネバのトリモチ状に変化し走行不能にさせてしまう。

 さらに時間が経つと各部品に纏わり付いたまま再度硬化し個体になる。

 フロントガラスに付着すれば前が見えなくなる。

 安全かつ非常に高い確率で後ろの車を停止させ追っ手をまく事が可能である。

 後部座席の下に秘密の隠し収納があり、そこには強化防護服S1号の入った手提トランクが隠されている。

 飛行時、水上航行時、水中潜航時、三つの車輪は車体内に格納される。

 ボディと窓ガラスは防弾仕様。

 普段の車体色は水色ライト・ブルーだが、特殊な塗料を使っているため、運転席のダイアル操作でどんな色にも変化する。

 同じ塗料は窓ガラスにも塗られている。普段は透明な窓を瞬時に真っ黒にして、外から車内を(のぞ)けないように出来る。

 その他、レーダー、無線通信機などを搭載。通信機は特殊科学捜査局装備課の物ではなく、攻一郎が自作した物。

 捜査局製の通信機が発する信号は既に攻一郎によって解析済みで、彼の自作通信機にはそれを傍受する機能が備わっている。ただし、捜査局製通信機に対してこちらから発信は出来ない。

 同じくダイハツ・Beeを基に攻一郎が造ったB1号という車もあるが、こちらはボディの拡張とエンジン・懸架装置・ブレーキの強化、隠し収納、そして屋根の切り外しと幌の追加のみ行われたオープン・カー仕様である。秘密の特殊装置は付いていない。車体色は赤。


〇富士重工・ラビットスクーター・S101

 黒鉄攻一郎が所有・乗車する。

 車体色は黄色。

 エンジン、ボディ、サスペンション、ブレーキが若干強化されているが、いわゆるスーパー・メカではない。

 黒鉄攻一郎の大柄な体格に合わせて、シート形状が変更され通常より後ろに尻が乗る形になっている。


** 春島家が所有するもの


〇アレース

 春島(はるしま)家のペットで、春島美優子(みゆこ)の愛犬(盲導犬)

 実は、犬型ロボットに犬の脳を移植した「脳制御ロボット」

 犬にしては頭がよく、飼い主一家に従順かつ外敵に対しては勇敢。体は高性能ロボットなので運動能力は非常に高い。番犬としても優秀。

 三日に一度、体内に流れる思考伝達液を全交換しないと凶暴化する。


〇催涙スプレー機能つき盲人用白杖(はくじょう)

 握りのボタンを押すと、杖先から催涙液が噴射される。


** 小悟(しょうご)智明(ともあき)と彼の探偵事務所が所有するもの


〇サンビーム・アルパイン・シリーズ2

 小悟智明の個人所有。

 コンバーチブル、いわゆるオープンカー。

 車体色は緑。

 定員2名。

 特殊科学捜査局装備課の無線通信機を搭載し、エンジン・車体・懸架装置・ブレーキ等の性能も強化されている。


〇モーリス・オックスフォード・シリーズ4・トラベラー

 小悟智明の個人所有。

 車体色は緑。

 定員5名。

 特殊科学捜査局装備課の無線通信機を搭載し、エンジン・車体・懸架装置・ブレーキ等の性能も装備課により強化されている。

 小悟探偵は普段サンビームを運転しているが、天候や乗員数などの理由でサンビームが使えない時はモーリスを運転する。


〇富士重工・スバル・360

 小悟智明探偵事務所の所有。

 車体色はクリーム色。

 定員4名。

 特殊科学捜査局装備課の無線通信機を搭載し、エンジン・車体・懸架装置・ブレーキ等の性能も装備課により強化されている。

 探偵助手の和戸(わと)三吉(さんきち)少年が運転する。


** 独目(どくめ)家が所有するもの


〇メルセデス・ベンツ・300d(W189)

 複数台所有。

 車体色は黒。

 防弾仕様に改造されている。それに合わせてエンジンも若干強化されている。


** その他


〇撮影即時投影器

 登場人物・鴨山(かもやま)瀧由(たきよし)の項を参照。

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