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古代ドワーフ洞窟にて

 入った瞬間に分かったが、迷宮と呼ばれる洞窟の正体は、古代ドワーフ族の遺跡であった。


 今は地表から姿を消してしまった古代ドワーフ族は地下都市を築く習慣があり、彼らの遺した遺産は希少価値があるとされているが、彼らの機械文明特有の防御機構は凄まじく、探検家の多くが古代ドワーフの遺跡で命を落とす。


 もっとも、機械に依存した彼らの文明は神秘から程遠く、魔術が使えない種族であったそうなので、魔術面の心配は無さそうだが。


 探せばいくらでも人骨が見つかる不気味な遺跡を、俺と元奴隷の少女は進む。


 そういえば彼女に名前を聞いてなかったなと思い、俺は彼女に聞く。


「ペネロペ」


 そう小さく呟いた彼女の言葉を俺は聞き漏らすことをしなかった。


 ペネロペ、名前はしっかり覚えたぞ。


 名前を呟くと、俺は小さく拳を握りしめた。


 ふとした時、彼女はまた羊皮紙に一枚の絵を書いていた。


 一瞬だけ見えたそこには、俺がのこぎりのようなもので胴体を真っ二つに切り裂かれる絵が描かれていた。


 踏破できないのはまだしも、元勇者パーティの俺がこんなちんけな迷宮で死ぬわけあるかと思ったが、少しそれが心の奥底に引っかかったのだった。



 突如、侵入者を検知したのか、どこからともなく矢が飛び交う。


 俺はそれを避けることなく糸で弾き進む。


 ここらへんはもう古代ドワーフ遺跡じゃ見慣れたトラップだなぁ。


「すごい……」


 ペネロペはため息を漏らす。


「はは、ありがとな」


 俺はペネロペの頭をぽんぽんと撫でる。


 さて、どんどん進んでいこう。



 先には、凶悪そうなオーガ6体の群れがいた。


 かなりでかいな、全固体20メートルはありそうだ。


 これほどの魔物が産まれる迷宮なのだ、そりゃ地元の傭兵も手を焼くことだろう。


 俺は左手の五本指に付けたガントレットから魔力糸、右手の五本指に付けたガントレットから物理糸を抜き、構える。


「下がってな、ペネロペ」



 俺は物理糸を操作し、一体のオーガの首を締め上げ、跳ねる。


 続けてもう一体行こうとしたところ、仲間を殺されたオーガたちは勢いよく俺へと突貫する。


 オーガは女性を執拗に狙う習性があるためペネロペが危ない、なるべく早く決着をつけたいところだ。


 しかしオーガの攻撃は素早く、糸の攻撃は正確に繰り出すためには足を止める必要があり、なかなか隙が生まれない。


 俺は跳躍して空中から物理糸を利用し、ポケットに隠し持っていた鉄杭を発射する。


 続けて魔力糸で擬似的に魔法陣を展開、空気中の元素を利用して炎魔法を発動させる。


 

「やっと倒れてくれたか」


 炎魔法により2体も大きな地響きと共に地面に突っ伏した。


 だがしかし、まだ3体はまだぴんぴんしている。


 オーガは勢い良く俺に突撃をする!



 これはどう対処しようかと思考を巡らせた次の瞬間、ペネロペは叫ぶ。


「伏せて!」


 ペネロペの掲げる羊皮紙には、落石が起こりオーガ三体が巻き込まれ、俺がそれを伏せて回避する絵が描かれていた。


 ここは一か八か、信じてみようか。



 俺は素早く姿勢を低くする。


 次の瞬間、落石が起こる。



 霹靂のような轟音とともに、あっけなくオーガは挽肉と化した。


 その時、落石の破片が俺の頭上を掠める。


 ペネロペの予知は本物らしいな。


「ありがとう、ペネロペ。助かったよ」


「……運命は、変えられないから」


 怯えとも違ったなんとも言えない表情をしたまま、俺の袖をペネロペは握る。


 これは少しだけ関係が好転したとみていいのだろうか。


 だが、余計に洞窟に入る前の予知が気にかかるようにもなった。


 都合の悪い事象には目を瞑りたい。


 しかし、勇者パーティだった俺ですら危機に陥るほどの危険があるようにも思えないのもまた事実だ。


 とにかく俺はいっそう注意深く進むことにした。

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