第十一話 MP0で魔法を打つ方法
「まさか、お前が来るとは思わなかったよ。」
「だって、一緒にいた方が何かといいでしょ。」
「なんだ、彼女さんか?」
「「違います。」」
「……息ぴったじゃん(ボソッ)。」
「お~い、ベビー?」
「……大将、作業してくる。」
「おう」
「た、大将?」
「みんな、私のことをそう呼ぶんだ」
「じゃあ、俺はボスって呼びますね。」
「では、私もそうします。」
「ん?まぁ呼び方は何でもいい。好きにしてくれていい」
「「Yes Boss!!」」
まぁ、俺もさっさと始めるか。
ん?
「ボス、これって何ですか?宝石か何かですか?」
「ん?あぁ、それは魔石だ。魔法の威力を上げることができるものだ。ただし、魔石にも属性があり、それは黄色だから光だな」
「え、威力が足されるんですか?」
「まぁ、そういうことだ」
「どんな魔法も何ですか?」
「そうだな」
つまり
例えば威力が3の魔法を放つときに、魔石を使ったら4になる。
つまり+1されるような感じか。
ん?まてよ。
「ボス。魔石って自ら壊れたり、効果が無くなったりしないんですか?」
「そうだな。街の教会には300年前のやつもある。まだ使えるらしいぞ」
それって、半永久的に電流を流す電池みたいなものか。
「なぁ、恵奈賀。」
「なに?」
「お前、魔力感知ってできる?」
「ええ、訓練時に魔法の方に行ったからできるわよ。」
「え、でもお前、剣士って言ってたやん。」
「なんだっていいでしょ。」
「まぁいいけど。とりあえずこの魔石に刺激を与えるから、魔力波的なものを感じ取ることが出来たら言ってくれ。」
「わかったわ。」
とりあえず、叩いてみるか。
コンッ!
「……でた?」
「ん、ちょっとだけ出たような気がする。」
「なぁ、今の”ん”ってやつ。もう一回言ってくれない?」
「死ね。」
ちっ、乗らねえな。
まぁ、実験成功ってことでいいのかな?
やったぜ。
じゃあ、これでちょっとした電池的なものでも作るか。
~1時間後 島崎 視点~
「お~い!ヤガラス君。ちょっとこっち……」
……矢田部、返事ないな。ボスが呼んでるのに。どうしたんだろう?
「矢田部。何して……。」
「エナガちゃん、少しそっとしておいて上げてくれ」
「なんか、あったんですか?」
「なんか彼、集中しているみたいだから。なにか作っているみたいでね。」
ボス……。
あんな奴、放っておいていいのに。
なんで、みんな矢田部とすぐに打ち解けるんだろう。
私もだけど、なぜか矢田部と話してると面白いんだよね。
和鷹君の方がいいはずなのに。
ほんと、男子ってよくわからない。
~矢田部 視点~
「できたぁぁぁぁ!!!!!!」
「矢田部、うるさい。」
「ごめん。」
「んで、何ができたの?」
「魔法発射装置mark1 !」
「そんな、ドラ◯もんみたいに紹介されても。」
「おま、ちょ、著作権!
まぁいいや。説明すると、MPが俺みたいに0でも魔法が撃てちゃうものなのだ。」
「MP0だったんだ。」
「え、うん。だけどこれさえあれば!」
「雑魚め。」
「俺への当たり強ない?」
まぁ、とりあえず試してみようか。
こいつは魔力を放出させるだけのものだから、属性など関係ない。
仕組みは簡単。この専用のグローブをつけて手を強くたたくだけ。
さぁ、お楽しみの魔法タイムだ!
『魔法をこの中から二つ選んでください。』
空間魔法と火だ!
『空間魔法の場合、それだけになります。』
うそぉーーーーーーーーん!
じゃあ、空間だけで。
『わかりました。システムのインプットを開始します。』
なんか、ゲームのDLCみたいだなぁ。
『ロードします。
システムのインプットが完了しました。』
”ジャックオブオールトレーズ”
面白い能力だなぁ。
まぁ、俺の能力じゃなくて、アレクサンダーとかいうやつが作ったやつだけど。
アレクサンダー、ありがとな!
お前のこと忘れないよ!
死んだみたいになるな。
~フォイダー 視点~
「へっくしょん!!!!!」
「アレクサンダーさん。かぜですか?」
「大丈夫だ助手くん。安心しろ。」
なんでだろう、
後で熱でも測ってみよう。