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偽善者か否か  作者: 雪菜
4/7

あたしがそんなこと考えているうちにあっというまに、ビルの外まで連れ去られ

そのまま勢いで「よし!ゲーセン行こっか。」というこの女に何も言えずそのままゲーセンまで連れてこられた。


小さいころはよく来ていたけど、この年で入るのは初めてだった私は、いろいろ変わってるものに驚いた。


「なんか好きなキャラとかいる?」


「いや、別に興味ないし。」


「えー、あ!こいつかわいいじゃん!!」


私と女はゲーセンの中をくるくる回りながらユーフォーキャッチャーを見ていた。

キャラとか聞かれてもわからない私は、軽く流す。

すると、女が指さしながら一つの台で目を輝かせていた。


女がかわいいと言っている台に目をやるとそこには、白くて長いよくわからないキャラがいた。

絶対世の女子はこれを見て可愛いとは言わないはずなのに、この女は可愛いと言って100円入れる。


「絶対取れるから!みてて!」


そう自信満々に始める女だったけど、やっぱり一回では簡単には取れなかった。


「ああ!おしい!おしかったよね、くやしー!!」


「そ、そうだね。」


女の勢いとこの大きな声に負けて私は同感することしかできなかった。

すると女がこっちを向いて


「あんたもやってみなよ!楽しいよ。」


「え!あたしはいいよ、やったことないし!」


「いいから!どうせ今日が最後なんだからやってみなよ!」


そういって自分の持っていたお金を入れる。

あ、そこはお金入れてくれるんだ。そう思いながら、女の言う通り最後だしやってみようと思ってやった。


でもやっぱり難しい。

少しはもちあがるけどそれ以上行かなくて、なかなかゲットできない。


私がやった後もひたすら「あ!おしい!」としか言わずに、どんどんこの台にお金をいれていく。

そろそろ止めなくちゃと思った時に、今まで以上の派手な音が店内に響くと同時に女の声も響く。


「やったー!!みて!取れた!!しかも2つもとれたよ!!」


そういいながら取れた景品を拾う女。

その後ろで本当に取れたことに驚いた私は、あぜんと立っていた。


すると、そんな私に一つストラップを差し出してくる。


「え、なに?」


「これあげるね、あんたと一緒に取ったようなもんだから!はい」


そういいながら半ば無理やり持たされた。

渡されたそのストラップを何度見てもやっぱりかわいさは分からなかったけど、女の勢いに負けて受け取ることにした。


ユーフォーキャッチャーも一通り見て、楽しんだ後、女が私の方を振り返って笑顔で言う。


「じゃあ次はプリクラとろっか!」


「は?なんでやだよ!」


「えー?なんで?」


「私写真とか嫌いだし。それに、あんたと私今日出会ったんだよ?!」


私が全力で撮ることを拒否していると、女はまた自分勝手なことを言い出す。


「うんうん、いいじゃん!運命ってことで!」


「はぁ?」


「それに、どうせ最後なんだから!」


そういった女に、私はあきれて何も言えずに、「わかったよ」といってプリクラの方へ進む。


すると、プリクラの方から、聞きなれた声が聞こえた。


「あっれー?コケじゃね?あれ。」



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