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女の隣に座って、私は自分が何で死のうとしているのか、ゆっくりと話す。
「私、学校でいじめられてんの。...毎日毎日飽きもせず机に落書きされて、私に聞こえる声で
コケとか死ねとか悪口言われて、教科書には落書きされるから置き勉なんてできないし、靴も自分で持っていないとすぐ無くなったり、土とか水が入れられたりボロボロにされるんだ。」
「友達とか、親にはそのこと言ってないの?」
「友達なんていないよ。親には心配かけたくないし迷惑だってかけたくないから言ってない。それに、自分の娘がいじめられているなんて、悲しむでしょ?...だから先生にも言ってない。」
「親に迷惑かけたくないのに、自殺しようとしてるの?」
「しょうがないでしょ!辛いんだから。生きていたくないんだよ、もう嫌なの。学校も行きたくない。」
私がそういうと、女は黙った。
正直、私は引いたんだろうなって思った。
だって、私がもし女の立場なら引いてるもの。
いじめられてるっていうだけで引くのに、それで死のうとしてるとか。
「....よしっ!理由は分かった。じゃあ今から遊ぼっか。」
さっきまで黙っていたのに突然立ち上がったと思ったら、いきなり変なことを言い始める。
「は?人の話聞いてた?私は今から...」
「聞いてたよ!いじめがつらくて死のうとしてたんだよね、うんうん。だったら最後に遊んで思いで作った方がすっきり死ねるよ!だから遊ぼう!」
何を言ってるんだこの人は。
バカなんだろうか?いや、バカなんだな。
私がそんなことを考えていると、返事をしてもないのに私の腕をつかんで靴を履かせ、階段の方まで引っ張る。
どんだけ力強いのこの人!!
私は抵抗しようと暴れるけどそんなの、この人には効かないみたいで。
腕を引っ張られ私の体は女の言う通りに動いてしまう。
「ちょ、ちょっと!あたしまだ遊ぶなんて言ってないし!」
「いーじゃん!暇でしょ?どうせ!あたしも暇なんだし遊ぶしかないじゃん!」
私のことを引っ張りながら、笑顔でそう言う。
私はこの時点で確信した。
こいつ絶対人の話聞かないバカだ。と