学校編①
「待っていたよ。今。巷を騒がせてるルーキーのクレイ君♪
ようこそ我が魔法兼剣術学校へ!」
そう。クレイに渡された依頼書には学校への加入だった。
その代わりに学校への加入のための敷金諸々免除してくれるというオプション付だった。
そんな面白そうなこと参加する他ないと思い即決断した。
「君も今日からここの1生徒だ。よろしく頼むな。私の名はソフィア=オルフォードだ。
ここの学園長をやっている。」
「では。この学校の説明を行うぞ。わからないことは追々で質問してくれ。」
「まずこの学校には序列というものがある。それは二ヶ月一度行われる大会での順位だ。
その大会には二種類あって、最終月に行われる学園内チーム型バトルロワイヤルと闘技場で行われるトーナメント大会だ。2つめのは基本剣士魔術師2人で行うものだ。ここまでで質問は?」
「では2つだけ。チーム型バトルロワイヤルでは最大何人まで組めるのですか?」
「最大で五人までだ。」
「ではもう一つ2つの目の大会。剣士と魔術師で分ける理由はあるのですか?」
「剣士と魔術師どちらもできるやつなんて居ないだろう…?」
???
疑問を抱いた。なぜなら俺は2つとも親に幼少から稽古つけられたからできるからだ。
でも前例がいないとすれば言ったら問題になりそうだな…
「まさか‥君はできるというのか?」
俺の表情を察したか、勘づかれてしまった。
仕方ない…
「内密にお願いしますね」
「ああ。」
「自分の親に幼少から稽古つけられたから両方ともできます」
少し驚いた表情を見せたが予想通りだったからあまり驚いてはいなかった。
「そりゃいいな。他には渡す気が無くなるほどいい。
やはり私の目に狂いはなかった。よくぞ我が校にきてくれた。」
「では、話を戻すな。
クラスは剣士と魔術師のクラスにわけられてる。君のことは私から教師一同に言っておくからどちらの授業をいつでも受けてもらってもいいぞ。」
それはありがたい。だがそれだと他の生徒から目立つから
「嬉しいですが、自分は剣術がまだよくないので剣士のみを受けさせてもらいます。両方受けて目立つのも控えたいですし。」
「ほう。では剣士の教師には伝えておこう。
では明日から剣士クラス壱に転校生として入ってもらう。
それと寮の場所はこの地図のここの204ってとこだ。」
そう言って地図を渡された。
「では、明日からよろしく頼むな。それとランクは今は圏外だ。今月末にあるトーナメント大会楽しみにしているぞ」
そして寮へ行き一段落取り、夕食にあらかじめ買っておいたものを食べて寝た。
そして翌日、
「お前ら席につけ。転校生を紹介するぞ」
「「おおおおぉ」」
「では、入ってこい。」
緊張するな…
「初めまして。クレイ=アプフェルジーネと申します。
学園長からの加入依頼で来ました。」
「あの学園長のお墨付き!?」
「すごいやつが来たな」
ザワッザワッ
「じゃお前はあそこの会いてる席な」
と隅の空いてる席を指差した。
横に座っているいかにもチャラいって感じの茶髪の陽気な少年に
「よろしくな」
と声をかける。
「おう。よろしく頼むぜ!」
「お前すごいな。あの学園長から推薦され来るなんて。」
「そんなすごい人なの?」
「そりゃそうさ。この国では知らない人のいないほどの英雄と言って過言ではないぐらい強い人なんだ。ところでさ、お前序列は決まってるの?」
「お前でなくて、クレイでいいよ。序列はまだ大会出てないから決まってないぞ」
「そうか。改めてよろしくなクレイ。俺はバロネス=リバースだ。気軽にバロとかでいいぜ」
「じゃバロよろしくな。」
「おうよ」
「おい。そこ一応授業中だぞ。静かにしろー」
クスクス
「「はーい」」
「…であって剣はこうすると威力が……」
はあ思いっていた以上に退屈だな…
全てお父様から習ったことよりも低いレベルだ…
まあ次の実戦練習で羽を伸ばすか…
そして実戦練習が始まった。
「今回はもうすぐ行われる闘技場での大会へ向けて1体1での模擬戦だ
では、始め。」
俺の相手は運良くバロだった。
「いくら相手がクレイでも手加減はしないぜ」
「本気で来てくれていいぜ」
するとバロが呪文を唱えはじめ、剣を強化した。
「魔術師でもないのに魔法使えるのか…?」
するとバロが不思議そうに
「魔術師じゃなくても付与と生活魔法は誰でも使えるぞ?」
「そっか。ならファイヤ」
そして火の玉がまっすぐバロに向かって飛ぶ。
バロは反応が遅れ直撃し気絶した。
すると周りは攻撃を中止し不思議そうにこちらを見て
「「なんで魔法が使えるんだ?」」
「しかも無詠唱で‥」
と言ってきた。
「生活魔法の応用で火をだしてそれを撃っただけだが…」
まわりは唖然とし、
そんなことができるのか…
って顔をし、こちらをみていた。
「はいはい。この話はあとあと、今は目の前の戦いに集中しなさい。」
ナイスアシスト先生!感謝するぜ。
そして急いでバロを連れ逃げるように医療室へと向かった。
そして数時間がたち、バロが目をさました。
「何が起こったんだ?」
「ファイヤをうってバロに当たり気絶しただけだが…?」
と言うと先程のみんなのような質問が来たから同じように返した。
「なるほどね。学園長が推薦する理由がなんとなくわかったわ…」
「ついでで悪いんだけどクレイに1つお願いがある。次の大会魔術師として俺と組まないか?」
「魔術師としてか…?」
「あぁ」
「まあそれは後で学園長に聞いてくるよ。今は休んどけ。」
そういって寝かせ、医療室を出た。
「勿論いいけど」
と学園長がニコニコしながら楽しそうに提案を許可した。
(この人自分が楽しみたいだけだな…)
「そうですか。ありがとうございます!」
そういってバロにこのことを伝え、その日はもう授業も終わり周りも暗かったため自分の寮へ行き眠りについた。
そして時が流れ大会当日。
『さあ、今月もやってきました!!!二人一組のタッグ形式学内トーナメント大会!!
今回の注目者は昨月優勝されたアルファさんとベータさんペア。今回も凄まじいチームワークで勝ち取るのだろうか!!?』
闘技場にアナウンスが響き渡り、生徒が雄叫びを上げるかのように盛り上がっている。
「これはすごいな。みんなやる気が違うね」
「当たり前だろ?これによって学内の順位が決まるんだから。」
「さあ、俺達の対戦相手は誰になるかなー…」
『ここでトーナメントの対戦相手が決まりました。皆さんのお手元の専用端末から対戦相手が確認できますので随時確認をお願いします!!では、それでは第一回戦の方々は舞台上へ集まってください。』
ゴーンッ
っと鳴り響くゴングの合図で一斉に戦闘が始まった。
「クレイはこれが初になるんだからタッグでの戦い方をよく見ておけよ」
「おう。」
そして戦い方が進み、遂にクレイとバロの一回戦になった。
『おっと。ここで注目の戦いが始まるぞ!!前優勝アルファさんベータさんペアとなんとあの学園長推薦で編入したクレイさんバロネスさんペアです。これはすごい戦いが始まるのでは無いでしょうか。』
今までの傾向から見て、魔術師が後方支援で剣士が闇雲に凸るような感じだったな。
でも前優勝者となればそううまくは行かないかもな…
「クレイ、最初は敵の出方を伺うぞ」
「了解」
「アレは最後まで取っといて最後で度肝抜かしたれ!」
そういい、バロは真っ直ぐと魔術師をうちにいった。
「甘い。」
そういってすぐに魔術師のカバーを行い、そして驚くことにすぐに魔術師の方が詠唱し、剣士がその時間を作るためにカバーから攻撃へと移行した。
あからさまにそれは他の人と違い、速かった。
やはりコンビネーションが優れているな。
「そろそろ行けるか?クレイ!」
そういう呼びかけに対し準備満タンだ!と言う。
そしてアルファ&ベータ。ペアはなにか来ると踏みすぐさま守りの体制についた。
「もう交代できるぜ。」
「あとは任せたぞ。クレイ」
そういいバトンタッチするかのように、クレイが突撃し、剣士が守りに来たが、
剣で相手の剣を薙ぎ払い、魔術師までつめた。
そして、
『ファイヤ』と唱え、
火の玉が魔術師に当たり、魔術師は倒れた。
「「「」……??」」」
と観衆が唖然としているとこに
「ナイスだ、クレイ!見ろみんな度肝抜いてるぜ!ハハハ」
と笑い、それが何かの合図だったかのように、アナウンスが響きだし、
『何ということでしょうか!!あのアルファさんベータさんが初戦敗退!!しかもあの学園長のお墨付きのクレイ選手は剣術と魔術をどちらも使っているように見えました。これはホントに現実なのでしょうか!目を伺うような光景です!ですがはっきりしていることは…勝者‥クレイさん&バロネスさんペアです。』
そういって観衆が''ワー''という声や拍手などのいろいろな声が投げかった。