01
幼女のもちもちに囚われた主人公の葛藤を書いてみました。
ふぅ……今日のところはこれくらいにしておいてやろう……。
とはいえだよ? このほっぺた案外気持ちいいんだよ? もうちょっと触っててもいいですか? いいんだよ?
あいわかった! もう少しだ! もう少しだけ堪能させてもらおうじゃないか!
「おえぇはん。おちおちひないえほひいえふ!」
「ちょっとなに言ってるかわかりませんね~」
まだだ! まだ終わらんよ! ……そう! これはお仕置き! お仕置きなんだからね!?
やっぱりさぁ……。勝手に召喚しちゃうのはダメだよねぇ~? 誘拐だもんねぇ~?
あなたが、いきなり知らないところに呼び出されたとして? 記憶を失っていたとして?
その相手を咎めないのはおかしいよね~? 私は悪くないよね~? 正当な権利ってもんだよね~?
なにゆえ幼女のほっぺをもちもちするかと問われれば私は胸を張ってこう言うね!
――声を大にしてこう言うね!
「だって気持ちいいんだもん!」
あ――違う、そうじゃなくてですね……。えっと……。あの……。その……。
まって! 違うの! 違うんだよお! だからそんな目でみないでえ!!
――ダメだ……モルンの目がなんだか冷たくなった気がする…………。
と……とりあえず手を放すか? このもちもちを? 私が? なんで?
いやいやいやいや。離せませんてぇ~! だってほら! ね!? こんなにもちもちなんだよ?
わかる? もちもちなんだよ? ないわ~! 放すとかないわ~!
「だって気持ちいいんだもん!!」
はっはっは! もう一度言ってやったわ! かましてやったわぁ! 引いてる幼女に畳み掛けてやったわぁ!
――――ッ!! ハッ!?
………………ワタシハナニヲヤッテイルンダ。
不意に我に返ってしまった……。
ど――どうしよう…………放すか……放せるのか……違う! 放すんだ!
いまこそこの吸引力から抜け出す時! 心を強く持て! 鋼の心臓を手に入れるんだ!
大丈夫……やれるはずだ。私の記憶がないのはきっと強大な悪に立ち向かったからに違いない。
そして、死闘の末に破れて重症を負った私は記憶さえも失ってしまったんだ。
そう――それだ! そんな私にかかれば幼女のもちもちから手を放すなど造作もないはずさ!
確かに記憶はないけれどもだけれども。あの時あった(仮)の記憶を呼び覚ますんだ!
やれる、やってやる! いまやらずしていつやれるというのか!
こんな気まずい空気にながされていたらいつまでたっても手放すタイミングが分からなくなってしまうじゃないか。
ぎこちない愛想笑いで誤魔化さないといけなくなるじゃないか。
それはそれで恥ずかしいぞ? そんな空気に私は耐えられるのか? 否だ!!
いまだ! いま放すんだ! いまこそ旅立ちの時!!
ほら! せーのっ………………ぁしくった~……放せなかったぁ~!
「……うぅ……ぐすっ……」
泣いたああああ!? 泣かせちゃったあああああああああ!!!!
――やばいやばいやばいやばい。やりすぎたよぉ……! 堪能しすぎちゃったよぉ……!!
幼女のほっぺはブラックホールだよぉ……。至高のもちもちほっぺだよぉ……。
迷ってる間に放すべきだったんだよ……。後悔後にもちもち――
じゃなくて……とりあえずなにか言わないと……。
「えっと……あー……モルン……ちゃん……」
言葉がでてこない……どうしよう……こういう時どうすれば……。
「……なんか……こういうの……ぐすっ……」
うっ……怒ってる……のかなぁ……。そうだよなぁ……。しつこくこんな事されたらそりゃあいやだよなぁ……。
「なんか……友達みたいです!」
いい子だったああああ!! チョーいい子だったぁ!!
止まらないよ~! もちもちが堪らないよ~!!
なんだよ……なんなんだよ……こっちまで涙がでてきたよ……ぐすっ……。
はぁ……、そうか……そうだよね……。
こんだけ無垢な女の子だったら、召喚できてもおかしくないよね。うんうん。
ともあれ、怒って無いようで安心だよ。
ん? おお? いつの間にかもちもちを手放せている!
やった! 自然な流れでもちもちから解放されたぞ!
……いや。私が解放したんだった……。
なにはともあれ。そろそろ話を戻そう――クソぅ、すっかり虜にされてしまった。
召喚のことはモルンもよく分かってないみたいだけど――もちもちが気持ちよかったけど。
この場所のこととかモルンのこととか――ほっぺのもちもちとか。
これからのこととか――もちもちとか。
――ってえ! もちもちもちもちしつこいわぁ!!
一人称の書き方がよくわかりません(汗