閑話休題 オチョナンサン
遅れて申し訳ありません。
入試も終わったので活動再開します。
「ほれ、お茶だ。まずは落ち着いて今までの経緯を説明してくれ。」
「ありがとうございます。鬼郎さん。」
当然ながら、いかに緊急性が高い依頼だろうが、まずは事情を話してくれないと手の打ちようがない。
「・・・『あれ』が現れるようになったのは1年ぐらい前のことでした・・・。」
それから、虎徹は俺たちにゆっくりと話し始めた。
・・・・虎徹の話を要約すると重要そうな情報はだいたい3つだ。
まず1つ目。虎徹は数年前に両親が交通事故で亡くなってから田舎のお祖母さんと二人で暮らしているらしい。
そして2つ目。恐らくこれが最も重要なことだろう。
お祖母さんと暮らし始めてから1年ほど経ったころ、突然『それ』は現れたらしい。
ある日いつものように、お祖母さんと一階の寝室で寝ていたとき、窓の外から生首のようなものが部屋の中を覗いていたという。
それだけでも中々ハードな出来事だが、この生首、明らかに人間の顔では無かったそうだ。
虎徹曰く、輪郭は明らかに人間のそれだが、目と口が異様に縦に長く鼻が無いらしい。
最後に3つ目。これは、2つ目の続きだが、最初こそ気味が悪かったが特に害が無かったので放置していたらしい。
だか、『それ』が現れてからさらに一カ月ほど経った頃、段々と『それ』の様子がおかしくなってきた。
具体的には、縦だった目が斜めになっているとかその程度だ。
その頃から、お祖母さんは体調が悪くなり、今では寝たきりだという。
・・・とまぁこんなところだろうか。
話を聞く限りだと、その化け物相当ヤバいやつだろ。
「ねぇ師匠、早いところ行った方が良くないっすか!」
「まぁ落ち着け。おい、虎徹。」
「はい、何ですか?」
「恐らくお前が見たのは、オチョナンサンだ。」
『オチョナンサン??』
俺と虎徹の言葉がハモった。
「何すか師匠その間抜けな名前は。ピッ○ロ大魔王の方がまだましですよ。」
「俺も実際に見た事はないが、まぁ守り神の様なものだ。」
「で、その守り神が何で危害を加えてきているんすか!?」
「ほら、虎徹の話によると、様子が変わったんだろ。それはオチョナンサン第二形態だ。
別種という説もあるが、そいつは今までとは打って変わって本来の守る対象に危害を加えるらしい。ちなみに、第三形態まであるらしいぞ。」
・・・ピッ○ロじゃなくてセ○だった。
「まぁ急いだ方がいいな、虎徹今日はこの事務所にとまれ。
明日朝イチでお前の家に行く。」
「分かりました。」
・・・・こうして俺たちは、過去最悪の依頼を受けてしまったのだった。