裏の仕事
結論から言うと、依頼人の旦那は黒だ。
その事を、依頼人に話すと殺意剥き出しの獣のような眼をして帰って行った。
「いやー、今回の依頼人ヤバかったですねー。ありゃ間違え無く旦那刺されますね。」
「自業自得だろ。それに、俺は俺の仕事を全うしたんだ。それ以上終わった仕事のことを考えて良い事あるか?」
「相変わらず、他人に対する関心が無いですね〜。」
「それは違う。俺は『普通』の人間に興味が無いんだ。」
「一緒っすよ。」
ガチャ。
不意に事務所のドアが開いた。どうやら依頼人が来たようだ。
『いらっしゃ・・・』
俺たちは一瞬思考が停止した。
何故なら、依頼人がどう多く見積もっても小学生だからだ。
だが、流石はこの業界のプロ、すぐに営業スマイルに戻った。
「御堂探偵事務所へようこそ!
本日は、一体どういったご依頼でしょうか?」
「あの…用があるのは探偵じゃなくて…」
「と、言いますと、『裏』の依頼でしょうか?」
「はい!あの…ぼくとおばあちゃんを助けて下さい!」
「失礼。まずは、名前を教えてくれないか?」
「はい、西行 虎徹といいます。」
「虎徹か、いい名だ。俺は御堂 聖月というものだ。こっちのさっきから全く喋らない男は、Mr.無愛想こと、武市 鬼郎だ。」
「誰がMr.無愛想だ!」
「さて、虎徹。さっきも聞いた通り、『裏』の依頼だったな」
「はい」
そう、この御堂探偵事務所には裏の顏がある。
それは、現代社会の裏で起きている、『怪異』と呼ばれる現象を解決する、
『御堂心霊事務所』だ。
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