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世界の事を知りたいんですけど。3


 スライムのデスマスク狩りなう。まさかスライムがこんな物に使えるとは。


 いままでネチョな事でしか利用法が無いと思っててすみませんでした。


 俺はそうスライムに謝罪しながら、スライムを探している。


 確か猫耳商人…いや、リーラは皮は傷つけると商品価値が下がるから出来る限り皮を傷つけるなと言っていたがどうすれば良いものか。


 まぁその前にスライムを見付けなければ。


「スライムってどんなところに居るんだろう。じめじめしている所とか?」


 そう独り言を言いながら適当な岩場の影に行ってみる。


 すると案外簡単にそいつは見つかった。というか結構でかいな。バスケットボールくらいの大きさはあるぞ。


 これ、俺でも倒せるのか?


 試しに近くにあった木の棒で一発食らわせてみる。すると案外簡単にスライムは動かなくなった。これで死んだのか?


 と思ったらまだ動いている。


 しばらくぽこぽこ叩いていたが死ぬ様子はなかった。


 これってどうやったら死ぬんだ?もし柔らかいから打撃無効だったら皮を傷付けたらダメだから斬撃も禁止だし詰むんじゃないか?これ。


 あ、ちょっと針に刺してみたら、うまいくらいに中身だけ抜けるかも。 


 試しにスライムを捕まえてっと、


 うぉ、意外と重いな。


 そして近くにあった木の枝でスライムを軽く刺してみる。するとスライムはかなり暴れた。


 うわっ、何か中身出てきた。と思ったけどよく考えたらこれ朝のスープと同じなんだよな。そう思えば全然気にならない。


 食べ物を粗末にするな?


 さすがにスライムの中身直飲みは絵面が汚すぎる。


 私は遠慮しておきます。


 やっぱりスライムは上品にスープか女性にけしかけるに限るだろ。


 え?後者は違う?こまけぇこたぁいいんだよ!


 そんなことを考えながら俺はその日20枚ほどのデスマスクを手に家に帰った。


 家に帰ると猫耳に


「大丈夫でしたか?無理に働かなくても大丈夫ですよ?」とやたら心配された。俺ってそんなに心配そうに見えるのか?


〜翌日〜


 今日は朝から街に行き、店でスライム皮を売りに行くことにした。


 店までは一本道で迷うことはなかった。道中にはいろんな店があり、不気味なものを売っている店もあった。禍々しい本とか。


 俺がお目当ての店に入るといきなり、「お前昨日のヤツだな!何しに来た!」


 ただの商売です。


 というかここ猫耳幼女の店だったのね。


「強盗か?強盗ならかかってこい!私が相手してやる!」


 ただの商売です。


 店内に響く猫耳幼女の声。突き刺さる周りの視線。頼むからやめてくれ。胃が痛くなる。


「で、何の用だ?」


 やめてくれとは思ったが誰がケロッと接客しろと言った。危うく胃がメルトダウンする所だった。


 この世界に胃薬ないかな。今まで胃なんて痛くならなかったのに、ここに来てから胃が痛い。


 あ、そうか、今までしばらく人目に触れていなかったから免疫が無くなっているんだ。


 箱入り娘として育てられたヒロインの気持ちがよく分かるね!


 違うのは顔と性別のみ。


 お顔と性別変われば人生変わる。あな悲しや。


 何でや、俺不細工ちゃうやろ。イケメンではないですね。


 話は戻って猫耳幼女。


 ただ一言「スライムの皮を売りに来た」と言うと表情一転、あら不思議。


「スライムの皮ですね。今日は1枚につき、銀貨1枚と銅貨2枚ですよ♪」


 誰だお前。本当にさっきの無礼なヤツと同一猫耳かよ。


 そんな事を考えながらお金を受け取りポケットがジャラジャラと小銭で一杯になる。


 本日の儲け銀貨24枚。これでしばらくはお金に困らなさそうだ。


 家に帰るといつものように嫁がお出迎え。あぁ幸せ。しかし猫耳はいきなり


「今日も大丈夫でした?私にそんなに気を遣わなくても大丈夫ですよ?」


 これにはさすがに俺も聞きかねて


「あのですネ、猫耳サン、私はネ、元の世界では働かず学校にも行かずだったのですヨ。」


 やばい。語尾がおかしくなってる。


「だからこそですネ、この世界で働くことにしたんだよ!(キリッ)」


「何で働く必要なんかがあるんですか?」

「そりゃあ働かないとお金は稼げないから食べていけないんだぞ?」


そう猫耳に言うと急に真面目な顔になり、


「あのですね、シグレさん。」と言われた。


「お金を稼いでもあの街では通貨として使えませんよ?」


「は?じゃあこの銅貨とか銀貨はどう使うの?」


「あ、ちょっと語弊がありましたね。そのお金、銀や銅でできていますよね?」


「あぁ、そうだな。」


 何となく分かってきた。


「この街ではそれを宝石として扱って色んなものと物々交換しているんですよ。」


 あぁ、納得。つまり『お金で物を買う』のではなく『貴金属と物を交換する』という感覚なのか。そして猫耳はこう続けた。


「確かにティオールに行けばそれらの硬貨は使えますが、誰も行こうとはしませんよ。今さら自分達で捨てた国にどうして帰る必要があるのかということです。」


 そう言って猫耳はティオールという国の話をしてくれた。


 中身はこうだった。


・あの街の近くにティオールという国がある

・その国は王がアレ過ぎて一部の国民は逃げ出した

・そこから逃げてきた人たちが作った集落があの街である


 その後猫耳は近くの高台へ俺を連れていった。そこは夜風が吹いていて、とても涼しかったが、それと同時に妙な臭いを感じた。


「あのさぁ、この臭いって何だ?」


「気付きましたか。火薬の臭いですよ。ティオールとその隣の国との戦いのせいですね。

 もちろんティオールの勝手な侵略戦争ですけどね。」


 そう言われよく見てみると暗闇の中にぽつりぽつりと赤い灯りと煙が立ち上っていた。


 その煙は毎晩ここから見えていて、心なしか近づいてきているようにも見えた。


 そしてある日、とうとう街に煙が来た。

次話投稿予定日→7月末

許してください

何でも書きますから

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