勢いで戦争始めちゃったんですけど。 2
ブックマーク件数が9件になっていましたので初投稿です。
ではどうぞ。
だんだんブックマーク件数が増えてきて本当に嬉しい
〜ティオール城〜
私はレンド。ティオール軍の兵士だ。私は今、樹竜神からの手紙を国王に運んでいる。玉座では豚以下の醜悪な顔をした我らが王がふんぞり返っている。
何?兵士がそんなのでいいのか?全ての兵士が国王が好きな訳ではないだろう。俺は大嫌いだ。
今日は大変な事が起きた。キール・メローがいると言われた場所に行ったら樹竜神がいて危うく殺されるところだった。実際は殺す気はなかったのかもしれないが、
「だが殺す」と言った時は足がすくんだ。
しかしそんなことがあったとはつゆ知らずな王はにやけた顔で俺に
「キールは捕まえてこれたか?」と聞いてくる。このロリコンが。
「いえ、指定された場所に行ったところ、キール・メローはおらず、樹竜神がいまして、国王様宛のお手紙を預かっております」と国王に報告する。
すると国王は表情を変え、
「そうか、こちらも別隊から森の一部が凍っているという報告を受けたばかりだ。それの元凶かもしれぬな。さて、その手紙を見せてもらおう、もしかしたら軍事協力してくれるのかもな」と言った。そんな訳あるか。
王が手紙の封を開けると、
「どうも。ティオール国王殿。私は樹竜神シグレです。突然ですが私は先程、この戦争を終わらせることにしました」と音声が響く。
一体どんな魔法を使ったらこんなことが出来るのか。
一方、国王は
「聞いたか!樹竜神はこの戦争を終結させるとの事だ!これは軍事協力に等しい!」と騒いでいる。
そして音声は続ける。
「……ここで私が軍事協力をすると考えたならば人の話を最後まで聞いてください。キール・メローは私が預かっております。あなたは私の知り合いに手を出そうとした。よって滅ぼしちゃおっかな、と思います。追伸、キールが可愛いのは認めます」
そう言って音声は終わる。
国王の方を見ると青筋を立てて、今にも怒りそうだ。見ていて楽しいが、ヒヤヒヤもする。下手をすれば独断で死刑もありえるからな。
そして国王はやっと口を開き、
「……レンドよ。手紙の配達ご苦労だった……では次の仕事を申し付ける。樹竜神シグレを捕獲してキール・メローを連れてこい。手段は問わん」
……無理難題が来た。樹竜神など捕まえれるはずがないだろう。しかし、断ればその場で始末される。一体どうしたものか……
−−−−−−−−−−
「……という事があったから俺の元に一人で来たのか?」
「はい、そうです」
俺は結局何の計画も思い浮かばないまま、樹竜神の元に着いてしまった。
「あぁ、俺は別に国王に会うくらいなら構わないのだが、捕縛されるのはごめんだからな……」
そう樹竜神が考え込んでいると、その後ろから幼女が歩いてきて、
「ん?シグレ、私が付いて行けばよいのではないか?いくら国王とはいえ、樹竜と樹竜神が揃ったとなると何もできまい……」と樹竜神に言っていた。
「こちらは?」
「あぁ、この幼女は樹竜だ。こんな姿にも変身できるらしい」
「どうも、樹竜のヴェルスィンだ。今はこのシグレの眷属となっておる」
まさか樹竜まで居合わせているとは。短絡的思考で樹竜神を闇討ちしていたらただでは済まなかっただろう。
「ではレンド、俺はこのヴェルスィンと一緒に国王に会う。ただしキールは連れていかない。良いか?」
「はい。あの国王に一泡吹かせてやってください」
「……お前は何で兵士なんかやっているんだ」
「国王が嫌いでも給料が安くても辞められないんです」
そう言うと樹竜神は苦笑いして、
「どこもブラック企業はこんなものなのか……」とよく分からない事を言っていた。
〜おまけ〜
S.P.P.Fって何?
Sky,Prince,Phoenix,Freedom
の略です。
Hazy moon that drilling the heavensという言葉も少し関係があります。
が、名前の由来はストーリー上重要なところなのでもう少しお待ちください。