6話 勢いで戦争始めちゃったんですけど。 1
6話です。ここからストーリーが大きく動き出すかもしれませんので初投稿です。
戦闘シーンが上手く書けない
その日は朝から騒がしく、安眠妨害も甚だしかった。その安眠妨害の元は家の外で
「悪魔よ!出てこい!さもなくばこの家もろとも焼き払ってくれよう!」
と騒ぎ立てていた。しかしこの集団、いちいち発言がありきたりである。
「どうしたものか……」
そう考えながら居間に向かうと、すでに早雪とユーリも居間にいた。
「あわわ……あ、シグレさん、どうしましょうか!?キールさんの居場所がここだとバレたみたいです!」
「はぁ?何でこんなすぐにバレるんだよ……」
「何か勘が当たったらしいわよ」
「嘘付け!そんなご都合主義があってたまるか!」
「多分ご都合主義じゃなくて魔法とか能力的なものでしょ。時雨はそろそろラノベとかの知識を持ち込むのはやめなよ」
と異世界で異世界モノあるある談義をしていると
「何をごちゃごちゃしている!突入するぞ!」と外から怒号が聞こえてきた。
俺は咄嗟に小声で
「ユーリ、キールの部屋に行ってキールを落ち着かせておいてくれ。早雪もユーリと一緒によろしく」と言って外に出た。
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外には鎧を着た兵士が5人いた。ここは一芝居打って追い返すかな。
「兵士共よ、私の眠りを醒ましたのは誰だ、ここがいかに神聖なる所か知らぬようだな」
そう言うと
「な、お告げではここにキール・メローしかいないとなっていたはずだ!誰だ貴様は!」
「ふむ。私はシグレ。ただの樹竜神です。そちらはどこかの軍でしょうか?」
そう言って樹竜から貰った指輪を見せると、兵士の一人が途端に青ざめ、
「そ、それは間違いなく本物!こんな威圧感のある魔力を帯びた指輪は神のアイテム以外ありえません!」と驚いていた。
しかしそれを聞いて隊長らしき人物は
「バカを言うな!だからと言ってこんな魔力を全く出していない奴が樹竜神のはずがない!こいつは盗賊だ!」と騒ぎだした。
しかし俺は全く慌てず、
「ん?魔力を出せばいいのか?」と言い、魔力をオーラのように外に出す。能詠のメガネを使うときのちょっとした応用だ。
そして魔力を放つ。
「寒っ……」
瞬間、辺り一面の気温が下がり、音を立てて俺の足元の地面からどんどん氷が張っていく。えっ、そんなに魔力は注ぎ込んだつもりはないのだが。
そして数分経つと辺り一面が氷の世界になる。少しやり過ぎたか。正直言ってかなり寒い。凍傷になる所だ。
そして兵士たちを見る。
「あ、あ……これが人間の魔力か……?」
「さて、これで信じて頂けたでしょうか?」
「あ、あ、失礼しました!樹竜神本人様とは思っておりませんでした!この膨大な魔力、竜神様などの高位の方以外、有り得ません!」と先程まで人を盗人呼ばわりしていた隊長は平謝りである。
「いえいえ。大して気にしていませんよ、で、そのキールさんとやらは何か悪いことでも?」
内容によっては兵士を倒そう。キールは可愛いしその分もプラスだ。
「は、はい!キール・メローは我らがティオール国王により、可愛いので軍の衛生兵として働いてもらうため、連行せよと勅令が出ております」
その国王、俺と気が合いそうだな。あんな娘がいたら士気が上がるだろう。
「だが殺す」
「へ!?」
「あ、君達のことではない。では少し待ってくれ。国王に手紙を届けていただこう。内容はそのキールの事と樹竜神からの挨拶だ。良いか?」
「は、はい!国王様へ責任をもってお届けさせていただきます!」
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「はい。ではこれを国王に届けてくれ、開けると魔法で声が出る仕組みになっているから、国王に渡すまで開けないようにな」
「はっ!かしこまりました!」
そう言って兵士たちは帰っていった。俺も家に入り、
「ユーリたち、もう兵士共は帰っていったぞ」と言う。
するとユーリたちが部屋から出てきて、
「シグレさん、兵士を追い払ってくれたのは良いのですが、寒いです……」と開口一番言われた。
「あぁ、悪い、魔力を放出したら辺り一面が凍っちゃってな」と笑っていると、
「おい、シグレ!また森を凍らせたな!解凍する身にもなってみよ!」と樹竜ヴェルスィン(幼女形態)が扉を勢いよく開け、入ってきた。
「すまん。まさかあれだけ効果があるとは思わなかった。……所で竜神ってそんなに崇拝されるような存在だったんだな」
「当たり前じゃ。我々神竜をその身で倒した証じゃからな!」とヴェルは無い胸を張って言う。
「……シグレ、今何か失礼なことを考えなかったかの?」
「ベツニー?」
俺はその事で小一時間怒られた。だって無い袖は振れぬって言うじゃん。
「……お主まだ懲りておらんようじゃな」
「……もう勘弁願う」
先日の時雨のメモ書きと類似している小説があるという件ですが、そちらの話の作者様と話し合った結果、
「そのメモ書きの内容はあるあるなのでパクリなどには当たらないと思います」(要約)とのことで、大丈夫とのことでした。
読者の皆様に不安を与えてしまい、申し訳ありませんでした。
厚かましいですがこれからも応援よろしくお願いします!