適応力が尋常じゃないんですけど。 2
前話である
「適応力が尋常じゃないんですけど。 1」を加筆修正したので初投稿です。
それではどうぞ。
自称初投稿兄貴になりたい……
翌日、俺とユーリは予定を変え、早雪に街を案内していた。
「ここが衣服屋です。店主さんはガッチリした男の人ですが、センスはありますし、女の店員さんもいますよ」
「いらっしゃい!おっ、そこのお嬢ちゃん、何か買っていかないか?」
「え?私?そうねぇ……目立たないためにも何か買おうかしら」
そう言うと早雪は店内を見て回り、ワンピースのような服を選んだ。
「これにしようかしら。時雨、立て替えてくれない?」
厚かましい奴め。これでも外面はいいせいでモテるから困る。俺?両方悪いかな。だってコミュ障モヤシだもん。
「仕方ないか、いくらだ?」
「おぉ、目が高いな!銀貨96枚くらいのものと交換でどうだ?」
「銀貨96枚分……それって大分高くないか?」
「シグレさん、それはぼったくられてますよ」
「ん?だとよ。ぼったくるつもりなら買うのは止めようかな?」
「ん、兄ちゃん買い物上手だな、じゃあ銀貨48枚分でどうだ?」
「店主さん、私は騙せませんよ」と今度はユーリが睨む。あんまり怖くないぞ。
「おいおい、これ以上値引きしたら損してしまうぞ!じゃあ銀貨24枚分だ!」
半額になってるじゃねぇか。どう考えてもまだ値引きしても余裕があるぞ。
そう考え、店主を無言で睨み付ける。すると観念したかのように、
「おう、俺もお嬢ちゃんに免じてサービスしてやりたいがこれが限度だ!銀貨12枚分で堪忍してくれ!」と言った。
「はいはい。じゃあそれで取引成立だ」
「毎度!すぐに綺麗に畳んで渡すぜ!」
「シグレさんって、結構商売したりするのが上手いんですね」
実を言うと昔やっていたゲームにこういう商人がいたのだ。最初は定価の16倍の値段を吹っ掛けてかなり値引きしたふりをして、定価の2倍で売り付ける奴だった。
「まぁな。ちょっと経験があってな」
そう話していると、
「……て」と声が聴こえてきた。
「ん?今の誰か何か言ったか?」
「え?誰も喋ってなかったわよ?」
「私も何も聴こえませんでしたよ?」
「……けて」
もしかして俺以外にはこの声が聴こえていないのか?
「……ちょっと見てくる。お金は渡しておくから支払いをしておいてくれ」
「ちょっ、時雨、何か犯罪とかだったらどうするの!?」
「あぁ、その悪者をやっつけようかな」
自分でもびっくりするくらいそんな言葉がすんなりと出た。これが不断の決意の効果なのかも。
「そ、それなら私も手伝う!これでも有段者だし!」
「私も手伝います!一応軽い攻撃魔法と補助魔法なら使えます!」
「あ、あぁ、頼む。店主、ちょっとその服をキープしておいてくれ!」
「あいよ!すぐ戻ってこいよ!」
店主がいい人でよかった。しかし、女子をトラブルに巻き込むのは少し気が引けるな……
「時雨、女子をトラブルに巻き込むのは気が引けるとか思ってない?」
早雪にそう言い当てられてしまった。昔から勘が鋭いとは思っていたが、そこまで見透かされているとは思わなかった。
「まぁな、でも俺みたいなモヤシより早雪やユーリの方が強いだろ、むしろ危ないのは俺の方だな」
「あははっ、違いないわね!」
そう言って早雪は腹を抱えて笑う。俺自身も自分がモヤシであることを一瞬忘れていた。
「シグレさん、早くその声の方向に案内してください!」
「あっ、すまん!こっちだ!」
こうして俺達は謎の声の元に向かった。
今思えば、ここで声の元に向かっていなければこんな事にはならなかったのかもしれない。
俺は自分の力を見誤っていた。俺はそれに気付くのに幾分か遅かったのかもしれない。
誤字脱字、文体のねじれ、文に関する御意見など、お待ちしております。
明日は2話投稿したいです
〜おまけ〜
前話を加筆修正した理由
・つまらない
・矛盾点がある
・話の流れが早い
・説明不足な所がある
すみませんでした。