いきなり主人公補正が強いんですけど。2
時間通り投稿できたので初投稿です。
それではどうぞ。
「……シグレは何がやりたいのだ?」
「猫耳と幸せに暮らしたい」
そう言うと、樹竜は優しい笑みを浮かべ、
「愛するものと幸せに暮らす。それは良い事だ。それがすべきことだ。確かに我々はこの世界では高位の存在である。だが、下位の者に指示をし、生き方を変えるなど、言語道断だ。ましてや、我々の主ならば尚更だ。つまりシグレのやりたいことをやるがよい」
そう笑顔で俺に言ってくれた。そしてその直後、
「もっとも、ヴェル、その主にその偉そうな物言いも言語道断だがな、……先程までの御無礼、お許しください」
「私、樹竜ヴェルスィン、シグレ様に絶対の忠誠を誓う所存であります」
「私、魔神クロムも同じでございます」
そう言ってクロムとヴェルスィンが跪く。俺はそんなつもりじゃなかったんだが。
「あ、あー、えーっと、クロム、ヴェルスィン、そんな言葉遣いじゃなくて、もっとフランクに話してくれたら嬉しいかな」
「「かしこまりました」」
「……何か調子狂うな。実際、自分はそんなに強くないんだ。ただ、自分なりの誠意をもって謝りに行っただけで、そんな高位の存在を下した扱いで、「今日からあなたが私の主だ」などと言われても正直なぁ……」とごねていると、
「シグレさん。私にも分かるんです。その優しい魔力の中に、「この人には勝てない」と思わせる何かが。だからこそ、魔神様と樹竜様がシグレさんの下に付いたのです。だから、もう少し自信を持ってください」と猫耳に諭された。
「……そうか。ありがとう、猫耳。所で……」
「どうされました?シグレさん」
「……いい加減名前を教えてもらっていいかな?」
「「えっ」」
魔神と樹竜は同時に驚くのであった。
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「またな、主。困ったときはいつでも呼んでくれ。」
「じゃあな、シグレ。俺はお前の身体にいてもいいが、仕事があるからあの水晶の所に帰るぜ」
と喋るクロムとヴェルを見送り、家に入る。居間では猫耳が料理を支度し終えていた。
「お帰りなさい、シグレさん」
「あぁ、ただいま」
「だからユーリって呼んでくださいって。せっかく名前を教えたんですから」
「あっ、悪い。ただいまユーリ」
「お帰りなさいシグレさん。所で私って、シグレさんと初めて会った時、「初めまして。ユーリ・アリエットです」って自己紹介してなかったでしたっけ?」
「多分してなかったな」
「通りで私の名前を呼んでくれないわけですね……さぁ、ご飯食べましょうか……」と言い、ユーリは尻尾をだらんとさせていた。何か悪いことした気がする。
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その晩、俺はユーリの強襲に遭った。何やら怖い夢を見たらしい。俺は横に猫耳を寝かせ、二人で一晩中、色んな事を話した。そして気が付くとユーリは寝息を立てていた。
それを確認して間もなく、俺も夢の世界にダイブした。
シグレのステータス
HP:常人の3分の1ほど
MP:白銀竜神の16倍
装備
樹竜の指輪
鋼鉄魔神の紋章
称号:鋼鉄の樹竜神
次話投稿予定日→7/30