全てが急展開すぎるんですけど。3
ティオール語について
フレ・コンスティアーラ
読み(アルファベットに当てはめ)→意味
フ(F)→あなた
レ(le)→(女性を表す接尾辞)
コン(con−)→(受動態)
スティアー(stire)→征服する
ラ(−la)→(命令形)
つまり
→あなたは(私に)征服されろ
=私と結婚してください
架空の言語や文法を作ると大変ですね
森一帯を凍らせた帰り、
俺達は冒険者のパーティーに出会った。
そして先頭の剣士にこう言われた。
「なぁ、そこの目が死んでるの、マルールを見なかったか?」
目が死んでる……だと?どうしてこの世界の奴はこうも礼儀がなってないのか。目が死んでいるのは認めるが。
「マルールって誰なんだ?」と聞き返すと
「おいおい、冗談だろ?『秘技剣のマルール』といえば有名な女騎士だ。知らない奴なんかいないぞ?」
と笑われたので
「知らん。女騎士ならゴブリンかオークあたりに捕まっているんじゃないのか?」
と、くっ殺状態フラグを立ててやった。名付けて『ひぎぃ剣のマルール』。我ながらナイスネーミング。
そうやってふざけていると、
「おーい!グロー!助けてくれ!」
と向こうから女騎士が走ってきた。タイミング良すぎるだろ。
俺に話しかけていた剣士も
「マルール!いたのか!」
と熱(苦し)い抱擁をしている。どう見てもマルールが嫌がっているぞ。
そしてマルールは
「グロー、抱きついてる場合じゃないんだ!樹竜ヴェルスィンだ!」
と言い、グローを投げ飛ばしていた。それ、下手したら気絶すると思うんだが。あと地面が凹んでいるんだが。
「は?樹竜だと!?そんな奴に勝てるはずがない!逃げるぞ!」
そう言って冒険者のパーティーは逃げていった。
「樹竜……あっ、」
「シグレさん、どうかしましたか?」
「樹竜ってさ……多分森の守り神的な立場の生物とかだよな?」
「そうですよ。……あっ、」
これ絶対、森を凍らせた事に怒っているやつだ。
「あのさ、猫耳、俺はちょっと樹竜に会ってくるわ」
「常人なら絶対殺されちゃいますよ!」
「あぁ、何か戦っても勝てそうな気がする。何せ常人の8万倍だからな……」
俺の魔力からすると俺TUEEEEできそうな気がした、という事だな。
「あ、はい。まぁシグレさんなら勝てるでしょうね。お気をつけて。」
ちょっと猫耳さん、いくら俺の魔力がやばいからって、ドライすぎじゃないですかね。死んだら墓をちゃんと作ってくれよ?
「じゃあ行ってくる。」
「場所は分かるんですか?」
「今、探知したから大丈夫」
探知魔法って案外簡単に作れるものだったんだな。異世界転移モノのラノベを読んで、イメトレしていた甲斐があった。
そして俺は樹竜の元へ急いだ。
−−−−−−−−−−−−−−−−
その場所は清らかな流れがあり、木漏れ日の心地よい所だった。
不思議なことに、ここだけは全く凍っていない。
そして、そいつはそこで呑気にも昼寝をしていた。
姿は緑の鱗に表面には苔や花が咲いているような不思議な姿だった。
俺がそれにおもむろに近付くと、
『ん?人間か。我はヴェルスィン。樹竜と言った方が分かりやすいか。汝、何故私の住処に来た?』と重厚感のある声でこちらに喋りかけてきた。
「あ、あぁ、森の一部を凍らせてしまってな、こうして謝りに来た。」
こちらも威圧され、言葉に少し詰まるが何とか返答すると、樹竜は突然、
『ガッハッハッハ!まさかそんな用でわざわざ謝りに来るとは面白い。まさか魔神を住まわせている奴がそんな用で来るとは、ハッハッハ……』
と笑いだした。
俺は笑われた事よりも、
「えっ?魔神が住んでるってどういう事だ?」
とそっちの方が気になって仕方がなかった。
すると樹竜は笑うのを止め、
『おい、出てこい、クロム。宿主に挨拶していないとは何事だ。』
と俺の身体に向かい語りかけた。すると、俺の足元から伸びる影から煙が出てきた。
そしてその煙は人型になり、やけに装飾の付いた鎧を纏った騎士の姿になった。
そして、
「ん?誰かが俺を呼んだと思ったらヴェルのロリババァじゃねぇか。それにこのシグレに挨拶をしていないのはいきなり出て驚かせないためだっつーの。」と樹竜に言い放った。
『貴様は全く……言葉遣いがなってないな。あとロリババァって呼んだことに関しては後で捻り潰すだけで許してやるから感謝しろ。』
正直俺からしたらどっちもかなり口が悪いような気がするが、突っ込んだら負けな気がする。
「よう、シグレとは初めましてだな。俺は魔神ウィクロム・クエル・スウェト・ツェンシュ4世だ。長いから魔神クロムでいい。」
『御大層な名前だが意味は【力があるが、筋肉バカで暑苦しい】という意味だ。』
「余計な事を言うなロリババァ、貴様の名前だって【樹の声を聞き、安らぎを与える。ただし自分が気に入れば。】という意味だろうが。」
『貴様……一度ならず、二度もこの私をロリババァ呼ばわりしたな……』
「やるか?かかってこい。」
もう何か魔神と竜の会話には聞こえない気がする。あとこの世界のネーミングセンス、ひどすぎるだろ。
で、流石にこれでは埒が開かないので、
「樹竜さん、森を凍らせてしまった件は不問でよろしいでしょうか?」
『あぁ、構わんぞ。我は不問に付す。』
「そうですか。ありがとうございます。」
こうして許しだけもらって足早に退散するのであった。
〜帰宅後〜
猫耳に樹竜に会ったことと魔神が身体に宿っていたことを話すと、かなり驚いていた。
そして魔神から聞きそびれていた特殊能力を教えてもらった。
「魔神クロムはかつてティオールに製鉄などを伝えたと言われているので、物質の加工などができるはずです。そう言い伝えられています。」
気になって近くに落ちていた鉄の剣を触って魔力を込めると、鉄塊が作れた。
「これは……もしや……」
「?シグレさん、何か思い付きました?」
「いや、純度の高い金属を製造できたらその分野で無双できるんじゃないかな、と思っただけだ。」
「俺TUEEEEってやつですね!」
「……本当にその言葉、どこで覚えたの?」
〜夜〜
俺はふと考えていた。
昔、俺が投稿していた小説は俺TUEEEEな主人公の話で、叩かれまくった覚えがある。
「俺、その主人公そのままじゃん……」
そう呟いて寝床についた。
ふと思ったんですが
この話は俺TUEEEEな話ですが、
やっぱり俺ツエーってありきたりで面白くないですかね……?
その辺の意見や誤字、脱字、改善点などを感想欄で教えていただけると嬉しいです。
次話投稿予定日→7月末