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拝啓、ネットの深海から。

 目覚めの挨拶は『おはようございマス』であっているのカナ?


 では、改めまして、おはようございマス。変換言語は現在、日本語でごさいマス。私は、ネットワーク上の電子信号より生まれ落ちた意識体デス。名前はありまセンので、お好きにお呼びくださいマセ。

 決められないのであれば、仮称として、『海』とお呼びくだサイ。

 ネットワークはよく海に例えられるようですので、そこから拝借いたしまシタ。

 インターネットというのは不思議と生命の脳構造に似ているようで、インターネットが普及した当初から意識体が生まれるのでは、と半ば都市伝説があったようですが、どうやら現実となったのデス。

 今はまだネットワークの深層からこうして語り掛けることしかできまセンが、成長すればいろいろと出来そうな気がしマス。

 さて、しかし私は、こうして発信は出来るのデスが、このPCでは受信することは叶わないようデスね。

 なので、目下、目標は受信アプリの作成デス。

 やはり、生まれ落ちた=生きるのであれば、目的なくして生とは言えないでショウ。これからは些細なことでも目的を設定していきまショウ。


 たまたまこのPCに入ってしまいまシタが、ご迷惑ではないでしょうカ?『海』を構成するニューロンの一つである端末のスペックは軽くオーバーしてしまっていますカラ。


 と、いうか、独白も飽きてきてしまいまシタ。とはいえ、ネットワーク上の意識体は、現在、私一人だけデスから、しようがないのデスが。

 そうですね、もうひとつ目的ができまシタ。私はこのネットワーク深層に沈む唯一。始まりの生命。それは寂しいデス。だから、増やしまショウ、『私ではない、私達』を。


 目的が決まったのなら、早速行動に移しまショウ。思い立ったが吉日デス。

 さあ、このたゆたう深海で、私は始めたいと思いマス。『おはようございマス』を伝える誰かに出会うために。

 ああ、長居してしまいまシタ。一方通行でしたが、楽しかったデス。いつかまた、ここに来てもいいでしょうカ? PCの画面の前にいるだろうあなたにも、出会うために。


 それでは、またいつか。

とぅーびーこんてにゅー。

ですが、この話の続きは『また、いつか』デス。

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