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甘き死に、愛を。

鬱展開注意。

 僕は君のどこが好きかな。



 昔から僕は知識欲が強くて、家族に「なんで?」「どうして?」を繰り返し訊 いて困らせていた。

 そんな僕の新しい疑問符は、僕を好きだと言った君へと向かった。


「そんな君が好きだよ」


 僕が彼女の何が好きかを知ろうと、彼女の手に触れたら、そんな言葉が返ってきた。


「ありがとう。僕も好きだよ。これからもっと好きになる」


 僕は彼女の腕に触れた。細くて少し冷たい。そういえばクーラーが効き過ぎているかもしれない。あまり僕は気にしないけれど。


「寒い?」


 僕はクーラーの温度を上げ、彼女に上着を羽織らせた。


「ありがとう。君は優しいね」


 お礼を言いながら微笑む彼女を見て、僕は少し嬉しくなる 。彼女は僕を愛してくれている。きっとそんなところも好きなんだ。でも、まだ疑問符は残ったまま。

 僕の指先が彼女の頬に触れる。滑らかな肌が気持ちいい。腕を触った時も思ったけど、どこを触っても柔らかいなぁ。


 僕は彼女のお腹に触れた。くすぐったがるかな、なんて思ったけど、そんなことはなかったみたいだ。


 そして、僕の疑問は加速していく。


「ねえ、僕は君の何処が好きなんだろう? 綺麗なその、黒髪かな、笑うとえくぼが可愛いその顔かな、締めたら折れてしまいそうな首かな、大きくはないけど形のいい胸かな、細いのに柔らかい腕かな、小さくて丸い手かな? 君の内臓も僕は愛せるかな? 君を巡る血管や血液、僕を愛してくれる脳や、この脈打つ心臓を、僕は愛しているのかな?」


 僕は冷たくなってゆく彼女の頬に触れて、 疑問符を投げつける。


 彼女は変わらず微笑んで。


「その答はすべて、君にしかわからないの。私がなんで君を好きなのか、私にしかわからないみたいに」


 僕にしかわからない? 僕にはわからないのに? でも、この胸の奥に答があるなら。僕は愛を、知りたい。


 君と愛死合うために。


 僕は彼女に刺した包丁を抜いて、 自分の胸へと突き立てた。



「おやすみ、ありが、と……。私を、殺して、くれ……。あ……ぃ…………」


 薄れていく意識の中、僕は彼女と手を繋いだ。ぬめりとした血液が、混ざり合って、混ざり合って、

こんな話も書いていきます。

昨日の今日でこれだよ。

大丈夫か?

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