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Vol.34 決戦‐2

「く……。力で解決しようなんて卑怯じゃないか。ここはひとまず話し合いで……」

(すき)あり!!」

 西崎が喋り終わる間も無く西原の拳は西崎へ向かって飛んで行く。西崎はそれをゆらりとかわすと,落ちていた拡声器を再び手にし,柄のスイッチを押した。すると,拡声器の口から沢山の魂が飛び出し,西崎を取り巻いた。

「お前ら!!根岸を倒してしまえ!」

 西崎は僕を指差し言った。沢山の魂が僕に向かって飛んで行く。僕は身を(かが)め,頭を両手で覆った。

「ねぎまこ!!」

 西原の絶叫。その時,何か呪文のような声が僕の背後から聞こえて来た。

「あッ!魂が……!」

 春川が言った。魂が僕の回りから去って行く。

「……あれ?」

 何が起こったのか知る由も無い僕は呆然。散って行った魂は西崎へ向かってUターンした。

「うわあぁぁぁ!」

 西崎は魂の餌食となった。

「何だよ。『トライアングル』も大した事ねぇな〜」

 力を持て余して西原が言う。

「……でも何か拍子抜けしちゃうよね」

 春川。

「ていうか魂ってもの擦り抜けんじゃないの?」

 僕はそう言ったが,やはり喜びには換えられない。

「でもさ,あの時の呪文って誰が言ってたの?あれが無かったら俺どうなってたか分かんなかったよ」

 僕はその事がずっと気になっていた。

「善かったじゃん,ながたん」

 春川が長田の肩を軽く叩いた。僕は長田の内なる能力に驚き,何度も感謝した。

「……さて,これからどうするか?」

 頃合いを見計らって織部が皆に訊ねた。

「……俺はもう帰りたい……」

 滝谷がぼそぼそと言った。滝谷の家はここの比較的近所に位置している為,滝谷のその気持ちが僕には解った。僕の家も歩いてこそ行けないものの高校とは正反対の方角に位置している。その為歩いて帰った方がもしかすると早いのかもしれない。そう思ったからだ。しかし滝谷の願いはあっさりと消し去られ,あっけなく散って行った。ふと西崎の方を見ると,西崎の回りには沢山の魂が西崎を取り囲んでいる。

「俺が悪かった!皆元に戻してやるから勘弁してくれよ〜」

 西崎が必死になってその魂達を説得している。しかし魂達に容赦は無かった……。

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