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Vol.29 河川敷‐6

「よかったぁ〜……」

 織部のその言葉に僕も安堵した。僕は今度は皆を連れて近くのコンビニへと向かう。

 僕達が堤防を下りてしばらく歩いていると,最後尾を歩いていた滝谷が先頭に立って歩いている僕の許へやって来て突然こう言った。

「そういえば,さっきの川の所にこんなのが落ちてたんだけど」

 滝谷はズボンの右ポケットから紙を取り出し,僕に手渡した。紙は小さく折り畳まれていた。僕はその事情を聞き付けた皆に事情を伝え,紙を開いてみた。

「え〜っと〜……?」

 そこにはやはり活字体で以下の事が書かれていた。僕は声に出して読んでみる。

「『諸君

 よく ここまで来れたな。誉めてあげよう。しかし時間切れだ。我々は 次なる目的地へと向 かっている。君達にその 場所が解るかな? すぐに来ないとまた出発し てしまうぞ?すぐに 行け! 羽生田TRYアングル』……何だよこれ?!読みづれぇ〜な〜。……解ったよ,解いてやろうじゃねぇか!」

 僕はキレ気味に言い放った。

「ちょっとそれ貸して」

 畑部が言った。僕はその“挑戦状”を畑部に手渡した。畑部は意外にもあっさりとその問題を解いてしまったらしく,僕に訊ねた。

「ねぇポン,この辺に『横塚バス停』ってバス停あるの?」

 予想だにしなかった質問に僕は一瞬面を食らった。

「……あ,あぁ。あるけど……」

「じゃそこだよ。『横塚バス停』,今すぐ行こう!」

「ちょ,ちょっと待ってくれよ。何でそこだって解るんだよ?」

 畑部の話の流れに飲まれそうになった僕は,畑部に食って掛かった。

「簡単じゃん。スペースで区切られた文の頭を読んでみなよ」

「んん?ちょっと見して」

 僕はその紙を手に取り,畑部の言った通りに読んでみた。

「……よ……こ……つ……か……ば……す……て……い……。あ,本当だ!!『横塚バス停』だよ!」

 僕は驚いたと同時に畑部に問題を先に解かれた事に対してかなり大きな心の傷を負った。

「どうする?先に行っちゃう?」

 僕は言った。

「……でもどうやって行くの?車置いて来ちゃったんだよ?」

 畑部が言った。

「う〜ん……」

 僕は悩んだ。

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