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Vol.28 河川敷‐5

 西原はウコンに僕達のいる場所を教えてもらったらしい。11時40分。太陽が真上に来ていた。

「じゃ,行こうか?」

 僕は言った。西原の回復は予想以上に早かった。僕達は西原が走って来た道を歩いて行く。

 20分程歩いただろうか?僕達は西原がいたと言う福川水門に到着した。

前に僕が言ったように,数年前ここで人間の遺体が発見されたという事件が起こった。中学時代の友達でこの周辺に住む米田和也(よねだ・かずや)の話によると,当時この周辺ではヘリコプターが飛び交っていて,おまけにテレビ局のインタビュアーが情報を求めて米田の家まで訪ねて来たなんて事もあったのだそうだ。

「あちぃ〜,腹減ったぁ〜。ねぎまこぉ,今金持ってるぅ〜?」

 西原が力無さそうに言った。しかし僕は手ぶらのまま来てしまった為お金は持っていない。西原は他の皆にもお金を求めている。織部が持っていた。

「この辺コンビニとか無いの?」

 畑部が言った。

「あるっちゃぁあるよ。でもまた結構歩く事になるけどね」

 それを聞いた女子が車を駐めて来た織部を徹底的に非難する。僕はその様子を見てある事に気付いた。

「……ていうか第一その格好で入られたら店の人びっくりするんじゃねぇか?」

「………」

 魂である畑部達は黙ってしまった。

「先生,何か飲み物買って来てよ」

 西原が言った。

「しょうがないな。でもコンビニってどこにあるんだ?」

「あ,この辺でしたら僕の出身地みたいなもんなんで」

 織部の問いに僕は答えた。

「じゃあ誠,一緒に来てくれ」

「解りました」

 織部と僕は堤防を下りて近くのコンビニへと向かう。

「……先生,あそこに皆を置いてきちゃっちゃまずいと思うんですけど」

 僕は少し勇気を出して言った。それを聞いた織部がはっとして言う。

「……しまった!戻ろう!」

 幸い2人と皆との距離は短かった。2人は堤防を駆け上がった。そこに皆の姿は無い。

「おぉ〜い!皆いるかぁ〜?」

 焦った織部が叫ぶ。すると時間差があって幾つかの弱々しい声が返って来た。織部は胸を撫で下ろした。

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