新しい道
「こら!カタレフ!ロスカ!」
ーこ、こんなに成長が早いなんて
あれから3年の月日が流れ、もうすぐ冬から春になる。
獣人の成長は早く、3歳でも人間の僕と同じくらいの体力だ
身長は、まだ僕の方が高いが
体力と力はもう敵わない。
お風呂に一緒に入っていたのだが、
上がった瞬間に脱衣所から2人がきゃっきゃと飛び出した。
僕はバスローブを巻いて、慌てて2人を追いかける。
真っ白な美しい毛並みの狼、カタレフと
真っ黒で迫力のある毛並みの狼、ロスカ
性格はどちらかというと、真逆なのだけれど
2人一緒にいると、活気あるイタズラっ子だ。
ドンッ
2人が廊下でマブロとぶつかった。
「こら、ラズを困らせるな」
2人を抱き上げると、後から走ってきた僕の頭を撫でた。
「すまないラズ」
「いいえ、僕が目を離してしまって」
「「わああ怒らないで~!!」」
マブロの顔を見て泣き出す2人。
「怒ってなどいないぞ」
まあマブロは、ただ立っているだけでも迫力が凄いからな
マブロの腕からするりと抜け出すと2人共僕の後ろに隠れた。
「まったく、困らせるくせに、直ぐラズに助けを求める」
呆れたようにため息をつくマブロに僕は笑って
「さあマブロ様はお忙しいので、早くお体を乾かしてお部屋で遊びましょう」
「「そうする~!!」」
「ありがとう、ラズ」
そう頭を撫でられ僕は誇らしかった。
2人に絵本を読み聞かせていると、
コンコン
キートが訪ねてきた。
「マブロ様とアスプ様がラズをお呼びでございます」
「分かった。2人共仲良く遊んでね」
「「え~」」
キートが部屋に残り僕はマブロの書斎へ向かった。
コンコン
「ラズでございます」
「入りなさい」
部屋に入ると2人がソファに座っていた。
2人は自分たちの真ん中にいつも僕を座らせてくれる。
「ラズ、もうすぐ10歳になるな」
マブロがそう言うと頭を撫でてくれる。
「はい」
「春になったら学校に行ってみない?」
「え、学校ですか?」
僕は今までキートに相変わらずマナーや勉強をみてもらっていた。
「この国では3歳から16歳まで学校に通うのよ」
貴族、平民関わらずに3歳から16歳の間学校に通う風習がある
ただ、僕は記憶が無い分、発見時の様子をみて
身に危険もあるだろうと、今までキートが先生として学んでいたのだ。
「今まで心配で貴方を学校に通わせられなかったけれど、今なら大丈夫だと思うの」
アスプが心配そうに優しく抱きしめてくれる。
「途中編入ということと、イエネス家の者ということで
好奇な目に晒されるやもしれぬが、最初だけだ」
「ラズが優しく賢いことを皆が知ればそんな目も無くなる」
マブロは微笑む。
「はい。僕学校に行きたいです」
2人に微笑みかえすと、ぎゅっと抱きしめられた。
温かい。




