美しい生命
「ラズ、違います。そこはー」
「キート待って、もうちょっとで分かりそう」
それから更に1年が過ぎたころ、僕はキートの家庭教師の元
この世界について、マナーや政治等を学んでいる。
今は数学の勉強中だが、既に頭がパンクしそうだ。
「ねぇ早くバイオリン弾きたいよ」
僕は生まれて初めてバイオリンを習ってみたが
それがとても楽しくて、キートもマブロもアスプも
その成長に1番驚いている。
「この問題が終わったらです」
厳しいキートに文句を垂れていると
コンコンコン
慌ただしいノックが聞こえ、ほぼ同時にメイドが入ってきた。
「ラズ様!キート様!アスプ様が産気づかれました!!」
そう、半年ほど前に、マブロに呼ばれてアスプの部屋を訪れると
そこには、ぐったりしているアスプがおり、懐妊したと教えてくれた。
「おめでとうございます!!」
僕が喜ぶとマブロが僕を抱き上げて一緒にアスプのお腹に手を添える。
温かく、ここに新たな生命が宿っているのだと思うと嬉しかった。
アスプは優しく僕の頭を撫でると
「この子達と、たくさん遊んでくれる?」
「はい!」
産気づいてから数時間ー
クンクンと高い赤子の声が響いた。
「わあ、かわいい」
ゆりかごの中には、真っ白な狼と真っ黒の狼の赤ちゃんが
すやすや眠っていた。
2人の血をしっかり受け継いだ双子が生まれたのだ。




