決意
本当に自分でも驚くくらい、涙を流した。
すっかり陽が陰ってしまった。
綺麗な青い花も闇に飲み込まれて見えない。
道の街灯が
ぽわと灯った。
「ごめんね、カータ、ありがとう」
ずっと抱きしめてくれていた
カータの腕は緩むことはなかった。
僕はふわふわな毛を撫でながら
「僕、自分でも気付いてなかったんだ。すごいね!カータは」
「それでも、研究職に就きたい気持ちは変わらないよ。
もちろん、マブロ様と離れたいからなんかじゃない」
そう言うと腕を緩めて僕をみるカタレフ
「アスプ様が元気になった時、本当に心の底から嬉しかったんだ。
この先、僕の力で家族を守れる、助けられるかもしれない
そう思ったんだ。」
「…行かないで」
消えるような声で言うカタレフを
もう一回強く抱きしめた。
「大丈夫!!週末には帰るようにするから!
僕だって寂しいんだ」
「僕は、ラズが大切な人だよ」
「うん、僕もカータも大切な人だよ」
お互い意味の違う大切な人を口に出して
2人は花に見送られながら丘を後にした。
ーガチャ
「おお、ビックリした、ノックぐらいしろよ」
本を読んでいたロスカの部屋にずかずか入ってきたカタレフ
向かいのソファに腰かけると、ロスカは本にしおりをはさんだ。
「…言えなかった」
「ふーん」
「…まだ、僕はラズと同じ場所にいないみたい」
「…」
「…決めた。父様の仕事を早く受け継いで、早く隠居させて、田舎に2人を追いやる」
「わーお、まあ母様の身体にはその方が良いかもね」




