最後に呼んだのは
物心つく頃には、この透き通った青い瞳に心奪われていた。
自分とは違う肌。
自分とは違う毛先。
「カタレフ、何の絵本読んでほしい?」
笑いかけられるだけで、胸は高鳴った。
真剣に絵本を読んでくれる姿も、
怒った顔も、食べてる顔も
全部が可愛くて、愛おしかった。
「ねぇロスカ」
「ん?」
「この王子様は、いつお姫様を好きだって思ったんだろうね」
夜、ラズが読み聞かせてくれた王子様とお姫様の物語。
大事なお姫様を守る王子様は、悪い悪魔を退治する話。
その物語には、もう王子様の隣にお姫様がいて
いつ、そのお姫様に出会えたのか分からない。
「さ~会ったら分かるんじゃない?」
ロスカの答えに僕は、わくわくした。
ーじゃあラズかな?!
会った時からラズは輝いて見えてるよ。
10歳になったラズは学校に通うようになって
僕達も幼棟部に通うようになって
一緒の時間が減って悲しかった
「僕も、ラズと同じところに行きたい~グスッ」
と泣いているとロスカも一緒に泣いた。
母様に絵本を読んでもらっていたとき
「母様は、いつ父様を好きだと分かったの?」
その質問に母様は思い出すように考えた後
「そうね~
一目見てカッコイイと思ったけど、
ずっと一緒にいたいと思ったのは、
デート中に私が怒って喧嘩したときも
帰り道ずっと手を離さなかったところかな」
母様は幸せそうにそう答えていた。
「父様~!」
父様の書斎に行き。
キートと休憩している
父様に抱き上げられると僕は母様にした質問をする。
父様は少し声がいつもより小さかったけど
「…一目見て」
と答えた。
そうか、人によって答えは違うんだ。
でも2人共一目見て何かは感じてたんだ。
じゃあ!
やっぱりラズは僕の好きな人だ!
でも、歳を重ねるたびにラズは先を歩いてしまう。
大人びて、声も低くなって、
ーあの夜も、僕はただ泣いていることしかできなかった。
ロスカと2人で椅子に立って夜空を眺めようと出窓を覗き込んだ時
バサリ
聞きなれない羽の音が聞こえて、
ロスカは直ぐに椅子から降りたけど、僕はびっくりして動けなかったんだ。
意図も簡単に僕は侵入者に捕まって。
「やめろ!!!!グルルルル」
「黙れ!口を閉じないとコイツを殺すぞ!!」
ロスカは威嚇してくれてて
僕は体が硬直したまま、息もうまくできなかった。
そんな時、
「貴様!!何をしている!!」
勇敢に立ち向かったのはラズだった。
ラズが傷付けられても僕は何もできなくて
気を失うラズが最後に呼んだのは
「…まぶ、ろさ、ま」
父様だった。




