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黄金に輝く瞳  作者: 茜雫桂香


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16/32

雨の日


「僕達は家族だけど、いずれ皆旅立たないといけない

カータ、分かっているだろ?

僕は研究職に就きたいんだ。


本当に感謝してるよ。

行き場のなかった僕が拾われて、

研究職を目指せるほど恵まれて」


肩に置かれた大きな手に自分の手を重ねた。


「僕は!!ラズとずっと一緒がいい!!」


こりゃ困った。

駄々をこねたカタレフは長い。


「カータ!わがままばかり言ってはいけないよ。

あと少しすれば、王宮で開催されるパーティーにもカータ達は行かないといけない」


何度か別のパーティーへは6歳くらいから招かれて参加しているけど

正式に王宮で開催されるパーティーは12歳になってからだ。

そこで婚約者がいない者は探すのだ。


「それは…僕に婚約者を探せって言ってるの?」



ーえ?



改めて声にだされて、一瞬ドクンと胸がざわついた。

強い黄金の瞳は僕を捕らえて離さない。


「…そうだよ。カータ、


ううん。カタレフ様、


貴方はイエネオス家マブロ公爵の長男ですよ」



その言葉を聞いて揺れた黄金の瞳は部屋を飛び出した。



飛び出したカタレフを追いかけられない、



僕は人間だ。



コンコン



ロスカの部屋をノックして返答がきたので部屋を開けると

ソファで本を読んでいるロスカがいた


「ロスカ、ごめん、カータを連れ戻してほしい」


チラっと僕を見ると悪戯に


「嫌だね」


とまた本に視線を戻す。


「お願い!雷も鳴って、雨も強いんだ、風邪をひいたら大変だろ」


僕がロスカの前に立つと

大きなため息をついて僕を見上げた


「狼はそんな軟じゃない。ラズ、僕だって怒ってるんだからな」


「ごめん、言うのが遅くなって」


「僕は、寂しい気持ちが大きいだけだから、

ラズ離れしないとなって切り替えられるけど、


カータは違う」



「え?」


僕が困惑すると、また大きなため息をつかれた


「まぁな、しょうがないよな。僕達はまだ子供だし…」







ザーザー


バケツをひっくり返したような雨が、大きな黒い傘に被さって

大きな音を立てる。


家の中庭の屋根がある休憩所にカタレフはいた。



「カータ、ごめんね、伝えるのが遅くなって」


僕が目の前に立つと、カタレフは落ちていた視線を僕に戻した。

薄暗くて、表情は見えにくいけど、黄金の瞳はハッキリと見える。



「…いやだよ」


カタレフは小さな声でそう吐き出すと僕に抱き着いてきた。

傘をさしていなかったのだろう、全身塗れている。


弾いていた毛並みに溜まった水滴が僕の服を濡らす。


「カータ今度お出かけしようか」


それくらいしか、僕にできることはない

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