白い毛並みが逆立って
「ラズはどうするのですか?」
次の移動教室へ歩いているときにピスが質問してきた。
「え?」
「卒業後です、やはりお医者様を目指されるのですか?」
アスプの件があり、僕が調合した薬草は、
心臓病に効果があると断定されイヌ科の種族への薬が開発されて、
今その薬が他の種族にも効果があるのか実験段階だという。
「僕は…研究職に進もうかなと思っているんだ」
そう、もっと治せない病を治したい。
その為には医者ではなく、治す技術や薬を発見したい。
だから、僕は卒業したらイエネオス家を出ようと考えている。
「おお!凄い!!ラズならあの1番大きなゼテオ研究所に入れるんじゃないか」
「簡単に言わないでよアルク!あそこに入るのに
どれだけレベルの高い論文ださないといけないか
知ってるでしょ、それにテストだって難問だよ」
そうアスプの件をきっかけに研究職を、
そして目指す場所はゼテオ研究所
これまで2年間猛烈に勉強したけど、自信がない。
なにせ入職の割合は数千倍率だ。
「応援しております」
にこりと微笑むピスにアルクも頷いた。
ーお昼休み
「ラズいますか?」
「カタレフ様、ごきげんよう
只今お呼びいたしますね」
「あ、カータ様」
お昼休みになるとカタレフとロスカは
いつも僕のところに来る。
僕はお弁当を持って駆け寄った。
アルクとピスも交じって皆で中庭でご飯を食べる。
カタレフ達が9歳で中棟部に上がった日から毎日だ。
「ロスカ様はいかがされました?」
「…早弁して購買行ってる」
「またですか」
中庭でシートを僕とピスが広げているところに
鉢合わせたのかアルクとロスカが一緒に来た。
その時のアルクの顔が何だか気まずそうにしていて、
僕と視線を合わせると、片手でごめんと合図してきた。
ーなんだ?
家に帰り、皆で夕食を食べ
僕は勉強のために部屋へ戻って参考書を取り出していた
コンコンコン
荒々しいノックが聞こえた
「はー」
「ラズ!!!どういうこと!!!」
返事をする間もなくカタレフが部屋に入ってきた。
どうやら怒っているようだ。
「え?どうしたの?」
大きな体に綺麗な白い毛並みが逆立っている。
凄い怒ってる。
「卒業したら、この家を出るの?!」
先程まで綺麗な夕焼けを映していた窓から雨粒が線を描いた
ザーザー
と大きな音を立て。
カタレフの感情のように雷までゴロゴロと鳴り出した。
「えっと…うん」
僕の返答にカタレフは強く肩を掴んできた。
「どうして!!ずっと一緒だって!!」
「待って、落ち着いてカータ、聞いたんだろ?アルクが教えてくれたよ」
今日購買でロスカとバッタリ会い
中庭に向かう際中
「ロスカ様達も寂しくなりますね」
「ん?なにがだ?」
「ほら、ラズと一緒にいられるのもあと少しじゃないですか」
「え?」
そこでアルクは知らなかった事に気づいて
ーしまった!!
と思ったが遅い。
鋭いロスカの瞳がアルクをとらえた。
「すまない。知らないと思っていなくて…」
放課後の帰り支度中にアルクから謝罪を受けた。
「ああ、全然大丈夫だよ!言うのが少し早まっただけだから」
と笑顔でかえしたが…
大丈夫じゃないらしい




