僕だって
暑い夏が過ぎ、寝苦しい夜も
窓を開ければ夜風が涼しくなって寝やすくなってきた季節。
いつものように、カタレフとロスカの間に挟まって
絵本を読み聞かせていたとき。
その日は僕の苦手な大剣での授業があり、
僕は2人より先に寝落ちしてしまった。
「ラズ…寝ちゃったな」
くすくすと悪戯に笑うロスカ
「ラズは、いつみても綺麗だね」
寝顔に惚けているカタレフ
「カータ、今日は星が綺麗な夜だって先生が言ってたぜ」
ロスカはベッドから抜け出すと大きな窓の近くへ椅子を運ぶ
「あ、待って僕も見る」
カタレフもラズに布団をかけるとベッドから抜け出す。
1つの椅子に2人で飛び乗って、出窓を覗き込む。
ーん、何か 聞こえる
「やめろ!!!!グルルルル」
「黙れ!口を閉じないとコイツを殺すぞ!!」
ぱち
聞いたことない声が聞こえる。
目をあけると、月夜の明かりが逆光で大きな影が室内にいる。
ー誰?!侵入者?!
今までこんな事なかった。
侵入者はカタレフを担ぎ上げているように見える。
首元には、鋭い爪。
足元には震えて尚、立ち向かっているロスカがいた。
僕は何かあった時用の護身用ナイフをベッドの枕下から取り出した。
僕だってだてに、この世界を学ばずに成長したわけではない。
「貴様!!何をしている!!」
僕が起き上がったことに一瞬隙ができた侵入者に
ロスカが足に嚙みついた。
「ー痛っ!!このガキ!!」
その隙に僕は侵入者の腕にめがけてナイフを立てた。
痛みで緩んだ腕の中にいたカタレフを奪い返すと、
足元に嚙みついていたロスカを呼んで抱きかかえた。
「2人共、僕の体から出ないで」
僕は強くない。剣術がからっきしだ。
そして相手は獣人。
勝てない。
マブロとアスプの子供を守る。
それが今の僕にできること。
大切な人達を今度は守るんだ。
僕は2人を抱きしめ、覆いかぶさるようにして大声をだした。
「誰かー!!!」
「このガキ!!!1人よこせ!!!」
グサッ
ー痛い!!!
背中に今まで感じたことない痛みが走る。
バタバタバタ
「ラズ!!!」
複数人の足音とマブロの声が聞こえた。
「ッチ」
侵入者は、出窓から外へ逃げていった。
「「ラズ!!!ラズ!!!」」
2人の呼びかけに僕は頭を撫でてやることしか答えられなかった。
意識が遠のく中
マブロが部屋に入ってくるのが見えた。
「…まぶ、ろさ、ま」
そのまま意識を手放した。




