ジロウ
生き物は皆美しい。
懸命に生き、本能のまま、姿は眩しく、輝いている。
ーそう人間以外
何日経ったのだろう。
テーブルの上には食べ終わったインスタントのゴミがたくさん。
床にもペットボトルや缶が散乱している。
ベッドの上で横になり、ぼ~と焦点も合わず室内を見る。
ここはゴミ屋敷だな。
胸に白い箱を抱いて。
ただ時間が過ぎている。
ージロウ。僕は君がいないと生きている意味をみいだせないよ。
2週間前、一緒に生きてきた、ジロウが死んだ。
出逢いは小学校の下校途中。
雨の中、公園の木の下で力なく鳴いていたジロウを見つけた。
「わあ、真っ白い犬だ~」
思わず抱き上げ自分の服で顔を拭いてやると、真っ白の毛が姿を現した。
おばあちゃんは生き物が好きだから、お家で飼えるかもしれない。
そこからジロウとの生活が始まった。
僕の両親は、僕が赤ちゃんの時に事故で死んでしまったと
おばあちゃんから聞いた。
そこからは母方の祖父母に育てられた。
おじいちゃんもおばあちゃんも優しくて、温かくて大好きだ。
職人気質なおじいちゃんは、あまり話さないし、怒るととても怖いけど
怒られたことはほとんどない。
おばあちゃんも、ゆったり、いつも笑顔で優しい。
たまに両親が僕を抱き上げている写真を見ては、
寂しくなるけれど、それでも僕は恵まれている。
ー12歳のあの日までは




