82 走るんじゃなかった
グラスホッパーに遭遇しないように注意しながら、モスフロッグを1体ずつ確実に倒していく。
ダンジョン図鑑のマップを埋めるように移動するが、場所によってはグラスホッパーがいて通れないところがあるのでそこは良輔に任せて、魔法で麻痺させてもらう。
トドメを刺すのはできるので私が倒し、確実にドロップ品を獲得する。折角倒したのに消えるなんてもったいない…。乾燥粉はいらないけど、そのうち誰かが大量に必要になるかもしれないからちゃんと回収しておこう。何事もコツコツが大事よね。
「そろそろ昼だから休憩にしよう。ここからだと入り口側の階段が近いから移動しよう。」
「はいよ~。お弁当は何がいい? 今日はめっちゃ助けてもらったからタダで好きなだけ食べていいよ。」
「ラッキー。弁当の種類は何がある?」
メニューを表示して上から読み上げる。自分にしか見えないから便利な時と不便な時がある。相手に見せたい時は表示できるようにならないかな?
階段に辿り着いたのでお昼ご飯の準備をする。良輔は牛丼と麻婆丼、私は3色そぼろ丼にした。それぞれゴボウサラダと豚汁、プリンがセットでついている。ダンジョンで食べるお弁当としてはいいバランスだろう。
「この後はどうする? 時間いっぱい3階層でモスフロッグを狩るか、4階層へ行ってダンジョン図鑑に新しい魔物を登録しておくか。」
「出てくる魔物って、グラススパイダーとランニングスキンクとボムフラワーだっけ?」
「そうだ。ちょっとデカい蜘蛛とちょっとデカいカナヘビと爆発する花だな。」
「最後がヤバそうだけど、探索者アプリにも同じような感じで説明されてたわ。」
「爆発って言ってもそんなに威力はないから大丈夫だと思うぞ。顔面で攻撃を受ければ怪我するけど…。」
「死ぬような怪我はしないって書いてあったけど、私は死にそうだな。」
「たぶん大丈夫だと思う。ボムフラワーとお前が獲得したスキルは相性いいはずだから。」
何か使えそうなスキルってあったっけ? クズスキルが多過ぎて、全部は把握できてないんだよな。あとで少しずつでも使ってみるか。
「とりあえず、モスフロッグのドロップ品で出てないのがあるからそっちを優先したいな。それに、4階層のドロップ品って微妙なのばっかりだからいらないんだよね。」
「食材はなかったな。」
急ぐ必要はないので、まずは3階層でドロップ品集めだ。食えない物、使えない物より美味しい物、使える物を優先したい。特に、私の顔面砂漠を何とかするために保水膜はたくさん集めなければ!
3階層の魔物も一応1人で対応ができるので、良輔とは別行動にする。グラスホッパーには絶対近寄らないようにしなければいけないけど。
モスフロッグを倒しつつモロモロコシを採取すること1時間。ようやくモスフロッグのドロップ品が出た。30体倒せば1個出るか出ないかぐらいの確率じゃないかな。
保水液と言うらしく小さな小瓶に入っていて、内容量は50mlくらい。思ったよりも多く入っている。ダンジョン図鑑で詳しく調べてみたら化粧水として使えるらしい。
これはいい物だ。正直、今までのドロップ品の中でもかなり当たりじゃない? 保水膜もいいけど、液体タイプのほうが使いやすいし。
夏場はまだ大丈夫だけど、寒くなるにつれ乾燥肌がひどくなる。今からたくさん集めれば、今年の冬は粉吹き肌とはおさらばできるだろう。乾燥による痒みからも解放されるはずだ。
効率よく倒せるように戦い方を変えてみたり、保水液をドロップするように祈ってみたり、思いつくことは一通り試してみた。
今日は調子がいいのか短時間で保水液が2つ獲得できたので、ニマニマしながら狩りを続けた。
大量に集めるために走りながら移動する。やる気満々だ、鼻息も荒くなるよね。元気よく走り回りながらドロップ品を集めていた。
……ガサガサ、ブブーンッッッ
「うわあぁ〜!! やっちまった!!」
グラスホッパーには注意していたけど、草原を元気に走り回れば、そりゃ気づかれるわ。少し離れているから大丈夫だろうと油断したのがダメだった。
「ヤバいヤバい、うわっ、キモい!!」
バッタってジャンプだけじゃなく飛ぶんだよね。お前、そんなに飛べるのか!?ってくらい飛行する。
つまり、飛ぶバッタに追いかけられている。
一旦タイムしたい、ちょっと、体勢を整えさせてくれぇ~。
「ヤベぇ、増えた!!」
バタバタ走り回れば騒がしい。音と気配に誘われたのかグラスホッパーが2体追加された。このままじゃさらに増える可能性が高い。
最悪だ、これじゃ囲まれる…。
「どうしよう、ムリ、キモい、齧られる!!」
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