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おばちゃん、探索者になる。〜老後のためにも溜め込みます〜  作者: 熾之


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5/18

5 いないようです



 少し早起きしてダンジョンに行く準備をする。昨日のうちに荷物はまとめておいたので、軽く身だしなみを整えれば大丈夫だ。


 化粧は落ちそうだからやめておこう。いや、ダンジョンに行くまでに誰かに見られるかもしれないからファンデーションくらいは必要かな。


 

 今日行くのは家から1番近い、バスで30分くらいの場所にある中規模ダンジョンといわれているところだ。


 ここはフィールドダンジョンで1階層に出現する魔物はスライム・ホーンラビット・ビッグラットの3種類となっているらしい。


 手前の草原にスライム、少し奥に進むとホーンラビットやビッグラットが出るので、奥に進まず、手前でスライムを倒すだけなら比較的安全に対応出来るとオススメされていた。


 ただ、駐車場がないので公共交通機関での移動を推奨していた。車移動派の私には地味にツラい。




 バスに乗り周りをみると、これからダンジョンに向かうであろう若者達が多くいる。鞘に入った状態の剣を持った人や何かの杖っぽいのを持った人など様々だが、皆ワクワクした様子でヒソヒソとおしゃべりをしていた。


 かと思えば、剣らしき物を抱えてぐったりとした様子の中年男性の姿が。


 自分も中年女性だが、あんなにくたびれた姿は見せたくないと思い、空いている席に座っても背筋を伸ばし、お上品に窓の外を眺め続けた。




 ーーーー




 失敗したっ、背中痛いっっ!!

 普段猫背気味なのに30分もスンッて座ったら、そりゃあしんどいわ。もう疲れた、帰りたい。


 なんてことを考えてたらバスはダンジョンに到着。人の流れに乗って進んでいるとでっかいコンクリートで作られたドームみたいなところまできた。


 バスの窓からずっと見てたドームはダンジョンを囲うようになっているらしく、ドームの壁にめり込む感じで一軒家サイズの建物が建てられていた。


 中は狭いが普通の役所のようになっていて、カウンターで受付を済ませ、入って左側にある扉を開けるとその先にダンジョンゲートと呼ばれる門がみえた。この門をくぐるとダンジョンの中、1階層の草原に行けるらしい。


 土曜日だからか人が多い。おお〜っと眺めている間にもどんどん人が門をくぐって行く。流れについていくように私も門をくぐった。




 ーーーー




 「……休日の自然公園だ。」



 春のような陽気、青々とした芝生、出現したスライムに向かって走りだす中年男性。ここに小さな子供がいれば完璧な休日の風景だろう。ボール遊びをしているようにしかみえん。



 「レジャーシートが必要だったか……。」



 とにかく人が多い。あっちもこっちも人だらけ。中年男性と中年女性しかいない。奥の方に少しだけ若者が見えるが彼らはこのまま奥に行きそうだ。


 やっぱり、考えていることなんて皆同じなんだよ。皆、私と同じように考えて調べて行動した結果がこれなんだよ。だって同年代だもの。そうなるよ。



 「しかし参った、スライムがいない。」



 いや、いることはいるが出現(リポップって言うらしい)した途端に狩られる。ちょっと元気な中年男性達にどんどん狩られる。剣を振り回して楽しそう。童心に帰ってるな。中年女性は若干引いてるようだ。



 早めに来てスライム倒してお昼には帰ろうなんて予定立てたけど、絶対ムリだ。現在時刻8時、周りにはスライムなし。


 少し離れないとな、なんて考えながら中年地帯を抜け出すのであった。





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