46 レベルを上げろ
盾で攻撃を受けてフラついたところを剣で斬るってことを繰り返しおこなう。まだ体力的に余裕があるので、少しだけ早歩きで移動した。筋トレの効果はまだ出てないな。
人のいない場所を奥に進みながら魔物を探す。ホーンラビットの数が多くなってきたので、1体ずつ丁寧に倒していった。
最初に比べて一撃で倒せる時も増えてきたので、上達はしてると思うんだよね。調子に乗らなければ大丈夫なはずだ。
「次の階層にはいかないのか?」
「いかないよ。危ないじゃん。」
「様子見てたけど大丈夫そうだったぞ。」
「次の階層の魔物ってなんだっけ? しばらく行くつもりなかったから調べてないんだよね。」
「化けキノコとキャタピラー、あとはグラスウルフだったかな。」
「倒し方知らないから行かない。しかも、ウルフって犬型の魔物でしょ? 私は猫派だから行かない。」
「猫派ならウルフ倒せるだろ。」
「倒せるかどうかは猫派関係ないし。」
えぇー、怖いんだが…。ホーンラビットを倒せるようになるまで、どれだけビビったと思ってるんだ。自分でしっかり調べてからじゃないと不安なんだけど。
いつかは下の階層にいくと思うけど、もっとあとだと思ってたよ。1年後とか2年後くらいには。
「私のペースで進んでいいんでしょ? だったら、まだ調べてないから行かないよ。」
「何を調べるの? 今の力で十分倒せるから大丈夫だって。」
「人にはね、心の準備というものが必要なんだよ。良輔は要らないのかもしれないけどね。」
「じゃあ、心の準備しておいて。お昼食べたら下に行こう。絶対に大丈夫だから。」
「おい、私のペースを返しやがれ。」
あれだけ危ないから1人で行くのを反対していた癖に、さらに下の階層に行かせるとは何を考えてんだ。こんな貧弱ステータスと普段着装備でウルフ系がいる場所に行けるのか?
とりあえず、お昼まではホーンラビットを倒し続けた。余計なことは何も考えずしっかり倒しきることに集中したらあっという間だった。
「そろそろ休憩にしよう。周辺に魔物はいないからここでいいだろ。」
「はいよー。お弁当は何でもいい?」
「弁当? おにぎりのこと?」
「いや、普通のお弁当だよ。今日のオススメはノリ弁当かメンチカツ弁当だね。」
「ダンジョンの中で弁当は食わねーから。食べてもおにぎりくらいだよ。」
「そうなの? でも美味しい方がいいでしょ。インベントリに入れてたから出来立てだよ。」
「うーん、まあ、いいか。後で詳しく話すわ。俺メンチカツ弁当にする。」
イスに座ってお弁当を食べながらスマホで情報収集をする。探索者アプリの魔物一覧には現在判明している魔物の特性などが記載されているので、攻撃の仕方とか回避方法とかを調べた。
キャタピラー、化けキノコ、グラスウルフの順で遭遇するらしく、3種の魔物が同時に出現することはないようだ。今まで通り1体ずつ倒していけば大丈夫そうではある。
キャタピラーはデカい芋虫みたいな魔物らしい。口から粘着性の糸を吐くので、糸に触らないようにすれば大丈夫だそうだ。ちなみに、触るとくっついてベタベタする。全身にガッツリくっつくと身動きが取れなくなる。
化けキノコは青色の本体に白色の水玉模様が特徴で、攻撃方法は胞子を飛ばすことらしい。胞子を吸い込むと眠ってしまうが、殴られたり強い衝撃を受けると目覚めるくらいの強さだ。
グラスウルフはとりあえず犬って書いてあった。白っぽい茶色、汚れた白い犬、少し毛の長い雑種と散々な書かれ方だ。基本噛みつくのが攻撃の仕方らしいが、爪も鋭いので注意が必要みたい。
「ねぇ、調べてみたんだけど危なくない? これ、攻撃を避けなきゃいけないよね。私には早くないかな。」
「ビッグラットを倒す時に避けてたじゃん。そんな感じだよ。横にヒョイって移動すればいいんだ。」
「おばちゃんにそんな反射神経はないと思うんだが…。」
「そうだ、盾はしまっておけよ。邪魔になるから。もし攻撃が当たってもキャタピラーと化けキノコは死にはしないから大丈夫だ。ベッタベタになるか眠るかだからな。グラスウルフは俺がちゃんととめるから。」
「行く必要はあるのかい? ホーンラビットだけでも十分稼げるよ。」
「早めにレベルを上げておいた方がいいと思って。たまにイレギュラーも起きることがあるし。」
最近、イレギュラーと呼ばれる現象が起きている。本来その階層には出るはずのない魔物が出てくることだ。私が来ているダンジョンではまだないが、絶対にないとは言えない。
のんびりスライム狩りしてたら突然オークがこん棒振り回してやって来たって感じでしょ? ヤバいわ〜。死ぬわね。
イレギュラーのせいで亡くなった方もいるため、かなり問題になっていたのは事実なんだよね。出現する原因がわからないので自衛するしか方法がない。その為のレベル上げだそうだ。
言いたいことはわかるし必要だとも思うが、ホーンラビットでコツコツ上げるのではダメなんだろうか? そもそも、下の階層に行かなければそんな危険もないんじゃないかい?
下の階層に行ってイレギュラーが起きたら、さらに下の階層の強い魔物を相手にしなきゃいけなくなるんでしょ。
んで、それに対応しなきゃってなって、もっとレベル上げなきゃいけなくなるんじゃないの? おばちゃんにはちょっとしんどいんだけど…。
「レベルって階層毎に上限があるらしいぞ。」
「ナニソレ?」
「ネット上に上がっていた情報だから絶対に正しいとは言えないけど、検証が進んでいるから8割合ってると思っていいんだけど…。」
どうやら階層毎っていうか、その階層にいる魔物によってと言うほうが正しいらしいが、要は、スライムを1000万体倒しても強くはなれないようだ。
「えぇ〜、コツコツやってたら強くなれるのがテンプレじゃないの?」
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