45 一緒にダンジョン
活動報告に追記しました。
家の中が一段落したあとは庭で除草剤を撒き、残りの作業は来週にやることを話して終了した。手伝ってもらったおかげでだいぶ片付いたから、予定よりも早く荷物の運び入れが出来そうだ。
マンションの部屋に戻ってからも不用品を選別したりゴミをまとめたりと忙しかった。趣味で集めてる物とかは数が多いけどキレイにまとめてあるからインベントリに入れるだけでいいんだけど、そのうち使おうと思って残しておいた物は大概がいらない物なので分別が大変だった。
あの時の私は何故コレを残しておこうと思ったのか?って物が沢山出てくる。思い出深い物まで出てくるから、なんだかんだ時間がかかってしまった。
いらない物が多すぎるので、買取業者でも呼んで対応してもらおうかな。少しでもお金になればラッキーってことで。
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平日はいつも通り仕事をして過ごした。7月末での退職が正式に決まり、次の係長も最終候補まで絞られた。誰がなっても大丈夫な人選だから心配ない。
問題だった木本さんも自主退職が決まったので、今はとても平和だ。本来ならまだ出勤しなければいけないはずなんだが無断欠勤している。まあ、特に誰も困ってないので大丈夫そうだ。中原君がイキイキした顔で仕事をしていたな。
残っていた有給も7月中に消化して大丈夫みたいだから最終出勤日は中旬辺りになりそうだ。それまでは出来ることを終わらせておこう。
そういえば、同じ課にいる探索者4人組も退職することを選んだそうだ。すぐに辞めるんではなくて、半年くらい時間をかけて準備をしてからだって言っていた。
メインで攻略するダンジョンを決めてその近くに4人とも引っ越しするらしい。いろいろ情報を集めてじっくり考えるそうで、休憩中や仕事終わりに相談しているみたい。すんごく楽しそうだ。
社内規定はまだ全然決まってないから今後も退職者は増えそうだと東堂課長が話していた。減った分の人員の確保がー、っと騒いでいた。
そんなこんなで金曜日。今日も朝からダンジョンに行こうと準備をしていたら良輔から連絡が入った。
『おう、おはよう。今日は俺も一緒にダンジョン行くから。』
「えぇー!? もっと先の話じゃなかったの? てか、仕事は?」
『仕事は来月辞めることになった。有給があるから消化してるところ。』
「そんな急に辞めて大丈夫なの?」
『もっと早く言えって言われたけど、早期退職はありがたいらしい。むしろ何故か謝られたよ。ただ、引き継ぎが思ったより大変。』
「それは仕方ないと思うけど、本当にいいの?」
『大丈夫だ。あ、引っ越すから手伝ってくんない? 業者と同じ分お給料出すから。』
「いいけど…。何処のダンジョンに行くの? 私がいつも行くダンジョンでいい?」
『いいよ。あとで場所教えて。』
「行くには公共交通機関しかないからね。」
『あー、んじゃ、バスで行くと思うわ。少し遅れるかもしれない。』
「入口のところで待つけど、わからなかったら電話しておくれ。」
『あいよ~。』
無料の護衛だと思えばいいか。…あれ、意外と悪くないな。薬草とか、採取が必要な時は周りを見ていてもらえるなら安全にできるし。口を開かなければだが。
よし、前向きに考えよう。多分、大丈夫だろう。
バスでダンジョンに向かい、探索者協会の建物の入り口付近で良輔を待つ。平日だから来る人は少ないけど、先週や先々週よりは増えている。少しずつ分散されてきてるみたいだ。
スマホを見ながら待っていると10分ほど遅れて良輔がやって来た。うわっ、装備つけてる! 腰に差した剣は見た感じ普通だ。ただ、服装が…、鎧とまではいかないけど、何かつけてる。プロテクターみたいな感じのヤツ。靴も何かちゃんとしたゴツいのを履いてる。
「おはよー。何かすごいかっこだね。」
「すごいじゃないだろ、これくらいは普通だ。何だその装備は…。ただの服じゃねーか!」
「そう? 動きやすいよ。」
私の装備は長袖のロンTにジーンズだ。1980円のスニーカーに、手には滑り止め付きの軍手をして剣を握っている。良輔みたいに腰のベルトに剣をつけるようにすればちょっと装備っぽくなるけど、それをするのは少し恥ずかしいのでやってない。
「怪我する場合だってあるんだから装備くらいはちゃんとつけろよ…。せめてロンTじゃなくてパーカーだろ。」
「いや、パーカーは暑いじゃん。これで平気な魔物しか相手にしないんだから大丈夫。それより早く行こう。」
とりあえず、大丈夫だってところを見せれば納得してくれるだろう。良輔みたいなちゃんとした装備は、おばちゃんにはちょっと厳しいんだよ、羞恥心的なアレで。大事なのはわかるけどね。
いつも通り、魔物を倒しながら移動する。スライムはビチャッと潰して、ビッグラットも危なげなく倒す。よそ見しなければ怪我せずに倒せるだろう。
先週ホーンラビットを倒した辺りまできたので、今日はここで狩りをするよーっと伝えた。しばらくは何もしないで見ていてくれるらしいから、前と同じように確実に倒していこう。
私はインベントリから盾を出して、頭の出てるホーンラビットに向かっていった。
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