27 順調だね
しばらくして東堂課長と木本さんが戻って来た。木本さんは不貞腐れてるのか、何も言わずさっさと帰ってしまった。…仕事、残ってるはずなんだけど…。
「おや、待っててくれたのかい。」
「はい。ちょうど遠藤君達と木本さんについて話し合ってたところだったので。」
「あー、遠藤君ね。真面目でいい子なんだけどなぁ。彼女とは相性が悪かったね。」
「そうですね。木本さんはどうなりますか?」
「どうするかな。最終的に解雇は難しいから諭旨退職かな。今までに何度も注意は受けてるのに改善しないし周りからのクレームも多い。始末書も2度書かされてる。僕が厳重注意したのにだよ。一旦減給してその後退職って感じに持っていくと思う。もう部長には報告してあるし。」
よかった。すぐにではないけど退職するなら中原君のストレスも少しは減るだろう。
木本さんに関係する明日以降の業務を確認してから帰った。ホント面倒だったな。
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次の日、木本さんは意外にもちゃんと出勤していた。昨日やり残した仕事をやらせるがムスっとしていて態度が悪い。昨日怒られたのに何で変わらないんだろう?
とりあえず、余計な問題さえ起こさないでくれればそれでいいよ。大人しくしていておくれ。
終業後、東堂課長に今後の確認をする。3日後に懲戒処分に関係する会議があるので、来週には処分が決定するとのこと。多分、1ヶ月の減給とその間に退職を促す感じだろう。
私がやる事はもうないので、あとはお任せしますと伝え帰宅した。
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木本さんには最低限の仕事だけ振っているので、大きな問題は起きてない。遠藤君も木本さんから解放されたので、自分の仕事を頑張っている。
1つだけ問題があるとしたら、中原君が木本さんから逃げ回っていることだろうか。中原君が強く拒否してもそれを照れてると変換し、行動を改めない。結局、嫌気が差した中原君は逃げることを選んだ。もう少しだけ耐えてくれ…。
そんなこんなで金曜日。職場は若干バタついているものの、私の仕事自体は落ち着いてるのでダンジョンにやって来た。
次のレベルまで320体。平日は100体を目標、土日は40体を目標にして来週にはレベルアップしたいところだ。
スライムを倒すだけなので特に問題もなく、順調に進んでいる。体力作りのために少しだけ走ったりもした。本当に少しだけ。
お昼はレジャーシートでお弁当。青椒肉絲がメインのおかず。ミニ春巻きと焼売、彩りに玉子焼きとブロッコリーとプチトマト。端っこにしば漬け。全部出来立てでアツアツ、最高です。
しっかり休んだらスライム狩りを再開する。人が少ないっていいなぁーっと思いながら倒してたら、あっという間に100体達成。やっぱり平日は楽勝だ。
問題の土曜日。人が多い! 中年だけじゃなく若者も多い。若者達は奥に進むから、私から見える範囲には中年ばかりなんだけど。
手前の安全な場所では他の中年達が頑張っているので奥の茂り地帯に行くことに。
相変わらずここは人が少ない。スライム狩りの中年には危なくて、奥に進む若者には弱過ぎる、微妙な場所だ。まあ、私には盾があるからちょっとくらいなら大丈夫さ。
今回もコソコソとスライムを探す。盾があってもへっぴり腰は治らない。慣れれば平気なんだけど、最初は時間がかかる。慎重に進みながらスライムを倒していった。
午前中は28体。土日にしてはいいペースだ。休憩をしたあと、残り12体を探して歩き回る。今日の目標までもう少しだと気分も楽だな。
ガサガサッ、ザザッ
大きい音がしたのでそっちを見ると、何ともデカいネズミがいる。
「うわっ! デカっ!」
盾を出すどころじゃなかった。条件反射のようにブンっと剣を振り下ろす。
ザシュッッ…、……ポポンッ
「いやー、焦った。意外と倒せるもんだな。」
ビッグラットは倒せることがわかりひと安心。ドキドキしているが怪我はない。ドロップ品を拾おうと屈むと、そこには魔石と親指サイズで四角い白い石が落ちていた。
「なんだこれ? とりあえず、インベントリに入れてみるか。」
インベントリの画面に表示されたのはビッグラットの魔石とビッグラットの歯だった。……歯って何に使えるんだろう?
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