26 お疲れですね
阿久津さんとの話は終わったが遠藤君が来る気配はない。
「遠藤君、まだ来なそうだけどどうする? 先に帰るか来るまで待つか?」
「待ちます。どうせ、木本さんの仕事の残りを手伝ってるんだと思うんで。」
「わかった。念の為、ちょっと様子を見てくるわ。」
会議室を出て遠藤君の机まで来たが、彼がいない。行き違いになったかなと思い会議室に戻ってみたが、遠藤君は来てないとのこと。
「うーん、どうしよう。」
「え? 遠藤いないんですか?」
「そうなの。トイレかしら?」
「ちょっと待って戻って来なかったらトイレ見て来ます。」
ええ〜、遠藤君戻って来ないんだけど。何か面倒事の予感がする。もう帰りたいわぁ。
ーーーー
30分後、やっと戻って来た彼はぐったりしていて、これから話をする気力はなさそう。むしろ、すぐに帰りなさいって言いたい。
「遠藤君、状況を説明してもらえるかな?」
「あ、待たせてすいません。」
バタバタっと机に戻って来て説明をはじめる。まあ、予想通り木本さんが原因だったのだが…。
自分の席にいなかったのは木本さんを追いかけていたからとのこと。
はぁ? 意味わからん?
順を追って説明しますね、と話した内容には呆れるしかなかった。
何時もの如く、木本さんの仕事は時間内には終わらなかった。彼女を手伝っているせいで自分の仕事も少し残ってしまった、自分の分を終わらせるから、その間木本さんも出来るだけ進めておいて欲しい、終わったら手伝うから。
ってことを伝えて彼女とわかれたらしい。その後、自分の分が終わって手伝いに行ったら席にいない。仕事も終わってない。
仕方がないので探しに行ったら、中原さんにくっついて話し中だった。まだ仕事があるので席に戻るように伝えても聞いてくれない。
木本さんの手がちょっと離れた瞬間、中原さんがダッシュで逃走した。木本さん追いかける。それを自分も追いかけて会社の入り口近くまで行く。
社内を走る異常な様子を別の課の課長に見られ、3人とも止められる。東堂課長が呼ばれて木本さんが連れて行かれた。中原さんと自分も事情を説明することになった。
説明が終わると中原さんと自分は解放されたので、とりあえず係長にも話しておこうと思い戻って来た。尚、中原さんは休憩スペースでぐったり中、あとで来るとのこと。
「木本さん、想像以上にヤバいね。」
「僕が何とか出来る次元じゃなかったです。これからは他の人にも頼ります。」
阿久津さんと話していた予定は白紙になった。多分、それどころじゃない。
「遠藤君が木本さんの事をいろいろフォローしてくれていたのは知ってるよ。でも、木本さんには逆効果だったの。他の人には今まで通りの対応でいいけど、木本さんはちょっと変えようか。」
しゅーんとしている遠藤君には可哀想だが仕方ない。これだけ騒いだんだから木本さんには何か処分ありそうだけど、どうだろう? 東堂課長が戻って来るまで待つしかないかな。
とりあえず2人には帰宅してもらうことになった。まだ時間がかかりそうだし、出来ることもないしね。
待つ間に探索者アプリでいろいろ調べる。こんな魔物がいるんだとか、ダンジョン産の不思議アイテムとか見てるとけっこう面白い。ついつい見ちゃうのよね。
フンフンしながらアプリを見てたら、とんでもなくお疲れの中原君がやって来た。あぁ、可哀想に。せっかくのイケメンがあんなに萎れて……。
「お疲れ様。大変だったみたいね。」
「ええ、本当に。金曜日も鬱陶しかったのに今日はさらにパワーアップしてましたよ。」
「許可してない人からの不快な身体的接触は男女・年齢関係なくセクハラだからね。不愉快ならそう伝えて問題ないよ。」
「次からはっきり言います。やんわり断っても伝わらないのがわかりました。」
「ここにいると木本さんと会うかもしれないから、今日はもう帰りなさい。急ぎの報告があるなら会社のメールでいいから。」
「わかりました。お先失礼します。」
はぁ~、疲れた…。もう何も考えずにスライム倒したい。次から次にビチャってしたいわ。
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