25 愚痴を言いたい
社食で休憩中、木本さんの元教育係の遠藤君と、彼の同期の阿久津さんが相談があるとやってきた。
話を聞いてみると、遠藤君は引き続き木本さんの指導を頑張りたい、阿久津さんは遠藤君の手には負えないから別の人に任せるべきとのこと。
「本来、教育係はもう必要ないはずです。彼女の同期はちゃんと仕事してますし、フォローしてもらうことがあっても全部じゃないです。そもそも、木本さんは覚える気がありません。何度言っても意味ないんです。」
「僕としては1人で仕事が出来るようになるまで面倒をみようと思ってます。僕の教え方がわかりにくいのかもしれないし。理解できるようにフォローしようかと思ってました。」
「だから、それがムリだって言ってるの! 本人に覚える気がないんだから!」
「阿久津さんは少し落ち着いて。木本さんについては私も確認したいことがあるから、あとで時間取って話そう。仕事中に時間取れる? 難しいなら終業後にするけど。」
「私は大丈夫だけど遠藤はムリでしょ。終業後にお願い出来ますか?」
「じゃあ、それで。」
2人が去ったあと急いで仕事に戻る。余裕な感じで終業後にって言ったけど、実は、私の仕事が終わらなそう。月曜日は仕事が多いんだよ、金曜日の割り振った仕事の確認もしておきたいしさ。すました顔でめっちゃ頑張る。
終業後、自分の分はギリギリ終わった。危なかった。でも、遠藤君は終わらなかった。終わらなかった理由もわかっている、木本さんが原因だ。その辺もしっかり話しておきたい。
阿久津さんは終わっていたので、先に彼女と話をすることになった。遠藤君には終わり次第、会議室に来るように伝えて移動する。
「時間は大丈夫?」
「この後は予定ないんで大丈夫です。」
「そう。なら、貴方からはじめましょうか。」
相談内容を改めて聞く。もう、相談と言うより愚痴に近い。どんだけ嫌われているんだってくらい愚痴が出てくる。仕事に対してだけじゃなく、木本さんの態度や言動についてもどんどん出てくる。私も同感だが…。
特に仕事中の態度やサボりが問題なんだよね。もちろん、課長には報告してあるし指導もされているんだけど変化はない。男好きにもほどがある。
基本的に全部木本さんに問題があるんだよね。でも、遠藤君にも悪いところがあったのでそれを何とかしたいって感じだ。
「うーん、言いたい事はわかる。とりあえず、木本さんは置いといて、遠藤君をどうにかしよう。」
「遠藤だけですか?」
「木本さんについては、既に報告済みでね。東堂課長に相談中なのよ。」
「なるほど。」
「どうにもならない事に無駄な時間を使うより、改善出来る事に時間を使うべきだわ。」
「無駄って。係長ってたまに毒吐きますよね。」
「昔から友人には口が悪いって言われるの。普段は上司らしい話し方を意識してるわ。」
「大人って感じの話し方ですよね。」
「中身は子供みたいな性格してるのよ。出さないように猫被ってるだけ。」
ちょっとだけ素を出して喋るとすんごい笑顔で笑ってた。そっちのほうが話しやすくていいですよって言われてしまったよ。
話を戻し、遠藤君の悪いところ、それは気を使い過ぎなところなんだよね。後輩のフォローをすることはいいことだし問題ない。でも何から何まで手を出してたんじゃその後輩のためにはならない。
彼は良かれと思って行動しているしね。実際、他の人にとっては気の利いたいい人って感じだし問題ないのよ。
ただ、木本さんが相手だとそうはいかない。全力で男に寄りかかるタイプの木本さんと、気を使っていろいろ手伝っちゃう真面目な遠藤君。相性がいいようですごく悪い。
私以外の人も同じような考えだ。2人は離した方が後々面倒が起こらなそう。そういう方向で話を進めることになった。なったんだけど、
……遠藤君はまだこない。
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