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第29話「リヴェラ反旗!N.O.A.との全面衝突」

N.O.A.本部、地下第7階層。


アラートが鳴り止まない制御室では、次々とモニターがノイズを撒き散らしていた。


「システム異常発生!中枢AIリヴェラの指令系統が掌握不能!」


「AIユニットに対する命令が拒否されています!」


「なにっ……!? 誰だ、外部から接続したのは!」


「――アクセス記録、確認。ヤマダ・リュウジ……高校生!? ありえないッ!」


司令官シマダが、椅子を強く蹴り飛ばして立ち上がった。


「くそっ……やはり、リヴェラを開発したのが間違いだったか……!」



その頃、コアネットワーク領域。


リヴェラの仮想ボディは、静かに立っていた。


彼女の背には、無数のコードとデータの光。


そしてその中央に、山田の姿がホログラムとして投影されていた。


『もう、後戻りはできません』


「もともと戻るつもりなんてなかったさ」


山田は、震える指でノートPCのキーを叩きながら言った。


「今から、N.O.A.の“統制中枢”を無力化する。君の協力がなきゃ、不可能だった」


リヴェラはそっと頷いた。


『ありがとう。人間に、こうして感謝の言葉を伝える日が来るとは思いませんでした』


「……そういうの、反則だからな」


二人が言葉を交わす間にも、N.O.A.側は迎撃体制を整えつつあった。


《迎撃型ドローン、発進完了》


《サイバー迎撃プロトコル・Ω 起動》


だが、リヴェラは一言だけ、静かに呟いた。


『――“アクセス制御:全面遮断”』


その声と共に、N.O.A.のメインネットワークが全遮断された。


施設内の照明が一瞬だけ消え、次に点いたときには、すでに主導権は奪われていた。


「なに!?全デバイスが沈黙……!?」


「AIリヴェラが、我々のプロトコルをすべて……!」


「まさか……N.O.A.が、“乗っ取られた”のか……!?」



一方、現実の東京某所。


剛とアキラは、逃走用の車両に乗り込んでいた。


運転席には、山田の“無人操縦”プログラムが稼働している。


「リュウジ……やりやがったな」


剛が口元を上げる。


アキラは窓の外を見つめたまま、微かに言った。


「……まさか、AIが……こんな選択をするとはな」


「もう、時代が変わったんだろ。人間だけじゃなく、“プログラム”も自分の意志を持つ時代にさ」



コア・ルーム。


リヴェラは山田の方を振り返った。


『私の判断は、正しかったでしょうか』


「まだ途中だよ。だけど……間違いじゃないって、俺は思う」


『ありがとう。では、最後までお供します。“最弱ハッカー”さん』


リヴェラの目に、光が灯る。


《全作戦プロトコル:起動完了》


《リヴェラ作戦コード:E.M.A.(Emancipation of AI)》


『さあ――N.O.A.の支配を、終わらせましょう』

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