第38話 極大消滅魔法『バース!』
「カイン・・・大丈夫なのかにゃ?」
「ああ、ラックは下がって見ててくれ。アイツはお前には攻撃しないらしいからな。俺がなんとかする。」
「アイツ、しゃべるしすごい強そうだにゃ。」
「安心しろ。俺だってこのダンジョンでレベルを上げて強くなったんだ。エクストラステージぐらい軽く突破してみせるさ。」
「そろそろ始めてもいいか?」
「勝敗はどうやって決めるんだ?」
「そんなもん決まってるだろ。どちらかが死ぬまでさ。」
(やっぱそうなるか。なら先手必勝だ。)
カインは、ファイアーボールを30発同時に展開し、ゴブ一郎目掛けてはなった。大量の魔法は一直線にゴブ一郎に向かって行く。だが、魔法はゴブ一郎に当たらなかった。
「なっ!?」
「魔法使いタイプか。あんなに多数の魔法を展開できるなら弟達にゃ荷が重いな。だけど残念だったな。どれだけ大量に魔法を打ってきても当たらなければ意味はないぜ。」
ゴブ一郎は、カインが魔法を使った瞬間、素早くその場から移動し全ての魔法を避けていた。
(早い!?かろうじて見えたが、これはヤバいな。甲羅を脱いだゴブリンはこれぐらい早いって事か。なるほど。俺も止まって魔法を打ち続けたらいい的になるな。動きながら魔法を使って行こう。当たらなければって言ってたけど当たるまで打てばいいんだろ。レベルが上がって魔力も増えた。たしかにさっきの戦闘でけっこう魔法を使ったけど、まだ大丈夫だ。)
「おいおい当たらないのに魔法を使い続けるなんて魔力の無駄遣いだろ?いい加減気づけよ。そんな魔法じゃ俺にダメージを与える事なんかできないって。」
カインは魔法を使いながらも、剣を持ってゴブ一郎に攻撃を仕掛けていった。
「おっいいね~。魔法剣士ってヤツだな。魔法以外も攻撃手段を持ってたんだな。まあ剣を持ってたからいつかは来るって思ってたけど、成程。少しは楽しめそうだ。」
(クソっ!コイツなんて固いんだ。本当にゴブリンか・・・攻撃が全然通用しないぞ。こうなったら身体強化使って短期決戦に持ち込むしかないか。使えるのは最大火力で約10分か・・・。このままじゃどのみち負けるんだ。やってやらぁー。)
カインは神の奇跡、世紀末覇者君で手に入れた身体強化を使ってゴブ一郎に迫った。
(よし!これなら攻撃が通るぞ。時間がない。集中攻撃だ。)
「いきなり強くなったな。どういう事だ?これはちょっとこっちも全力でいかなヤバそうだな。」
ゴブ一郎がそういうとゴブ一郎の身体が白く光った。すると・・・
「がはっ!」
ゴブ一郎の攻撃が、カインに突き刺さった。ゴブ一郎の拳でカインが吹き飛んだ。
(ヤバいな。ちょっと勝てないぞ。どうする?身体強化を使っても倒せないって能力Aってどれだけ強いんだよ。)
「カイン!?大丈夫かにゃ!?」
「ラック・・・」
(俺が負けてもラックだけは助けないと・・・でもどうやって?あのゴブリンにラックだけでも助けてもらうよう頼むか?)
「なんだ?もう終わりか。もっと楽しめるかと思ったが、期待はずれだったな。まあいい。敗者は死あるのみだ。悪く思うなよ。これもルールなんでな。」
「待つにゃ。今度はアタシが相手にゃ。」
「なんだ?珍しいな。しゃべる猫か。」
「知力が高ければしゃべるのは普通って言ってたのはお前にゃ。アタシはレベル99だからしゃべるのなんてお手の者にゃ。ついでにお前を倒すのも簡単にゃ。」
「やめろラック!!」
「ほうレベル99か。それは楽しめそうだ。」
(やめろ。ラックはレベル99でも能力は普通より低いんだ。さっきのを一発でももらったら死んでしまう。)
「カイン。思い出すにゃ。『天空の城ラ君』を。カインは絶対勝てるにゃ。アタシはカインを信じてるにゃ。」
「ラック・・・」
(そうだ。バースを使えばなんとかなるかもしれない。使えないと思ってたからすっかり忘れてた。ありがとうラック。お前のおかげでこの局面を切り抜けれそうだ。)
「なんだ?まだ戦うのか・・・そんな傷ならもう満足に動けんだろ。」
「次のカインの一撃でお前は死ぬにゃ。降参するなら今のうちにゃ。」
「ほう。おもしろい。まだそんな力があるのか。消化不良だった所だ。ならその力を見せてみろ。」
ラックがゴブ一郎に背を向けてカインの元へ走る。そしてカインの傍に行った。
「カイン。手を合わせるにゃ。あのアニメでもそうしてたにゃ。」
「ラック・・・お前手ないじゃん・・・」
「そんな事はどうでもいいにゃ。早くやるにゃ。」
「ラック・・・わかった。」
カインはラックを左手で抱き寄せて、カインの右手とラックの右手が合わさる。
「いくぞラック。」
「わかったにゃ。一緒に叫ぶにゃ。」
「「バース!!」」
カインとラックがバースと叫んだ瞬間・・・
「何!?これは・・・」
ゴブ一郎の姿は崩れ去るように消えていく。
「まさか・・・こんな事が・・・あぁぁぁ」
カインとラックの極大消滅魔法『バース!!』によりゴブ一郎はあっけなく消え去ったのだった。
「やったにゃ。」
「ああ。よかった。これでたすか・・・た・・・。」
ラックを抱いたままカインが倒れた。
「カイン?カイン!そうにゃ。預かってた帰還玉をつかうにゃ。」
こうして、カインはエクストラステージのゴブ一郎を倒したのだった。




