表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/117

1

新章開始。ノインは偶然出会ったロディとアリーシャと共に王都へと帰還し、ノルギス王にルシウスとの婚約を認められました。そこからの物語となります。では、本編をお楽しみください。

 

 三年が過ぎ、私は七歳になった。

 今日も訓練場で、兵に混ざってルシウスと一緒にアデル先生から剣を教わっている。アデル先生はルシウスのお兄さんで、アラドスタッド帝国第二皇子。そして今はガーランディア王国の将軍兼私たちの剣術指南役を務めている。

 

 王女の私が剣術を学んでいる理由は、アデル先生がガーランディア王国の将軍になったことと無関係ではない。言ってしまえば現在の情勢のせい。

 これまでは、西のアラドスタッド、東のデルフィナ、そして、南方のガーランディアの三つ巴状態だったのだけど、三年前にそれが大きく変わった。


 現在は、新生アラドスタッド、そして三国に面する国境にある、元アラドスタッド帝国の山上要塞ベルモンドでドルモアが興した独立国家オルファニアの二帝国同盟と、ガーランディアとデルフィナの二王国同盟が睨み合っている状態。


 私がこの世界に転生したとき、エルモアから伝えられていたアラドスタッド帝国との戦争は、私とルシウスの婚約と、ルシウス生存によって回避された。そして、私がいない間に起きたルリアナ乱心によるデルフィナ王国との関係悪化も、デルフィナ国王であるゼルビアおじい様自らが謝罪に訪れたことで誤解が解けて関係改善された。


 それで、三国で平和維持に努めましょうねって話になってたんだけど……。


 直後に第一皇子ドルモアが独立宣言。オルファニア帝国を興した。


 当然、謀反として扱われたのだけど、アデル先生が軍を率いてその征伐に出ている間に、今度は第五皇子ゲオルグが帝国内部で反乱を起こして、皇帝グライアスを弑逆。


 あっという間に平和は消えてしまった。


 私たちがその話を知ったのは、アデル先生がガーランディアに助力を請いに訪れたときのこと。ノルギスお父様に謁見を申し出たアデル先生も何が起きているのか分からない様子だった。

 ノルギスお父様はアデル先生と一緒に、簒奪者ゲオルグの反乱鎮圧に向かったのだけれど、内乱状態にはなかったそうだ。要するにそれは、第一皇子派の根回しが既に済んでいて、ゲオルグが皇帝として認められていることを示していた。


 内乱状態なのであれば、反乱鎮圧に力は貸せるけれど、そうでないなら、それは国家間の戦争になってしまう。とてもではないけれど、ガーランディアには大国であるアラドスタッドと渡り合える国力はない。


 ノルギスお父様は早々に撤退を決め、帰る国を失ったアデル先生を将軍として雇い入れ、そしてガーランディアに滞在していたゼルビアおじい様と情報を共有し、すぐさま同盟を組んだ。それで現在のような睨み合う形が出来上がったという訳だ。


 もっとも、ノルギスお父様が同盟の提案を行う前から、ゼルビアおじい様はそのつもりだったみたいだけどね。激怒してオルファニアに宣戦布告までしてたからね。

 それはそうよね。ルリアナがオルファニアの王妃になっていたなんて情報が届けられたら、何を考えてるんだってなるわよね。

 私もとんでもない毒親持っちゃったもんだわ。気にもならないけどね。

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ