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第11ラウンド 番長のケツを追え!

思春期男子の感覚wwwww

この回は特にwwww

で、まあ基本ギャグ路線でいきますけど、仲間が増えていく章なんで。


登場人物紹介は、大枦会長です。


大枦宏之(おおはしひろゆき) 63歳 3月16日生まれ O型 神奈川県横浜市出身 ヨネザワジム→大枦ジム会長・元東日本ボクシング教会会長 元WBC・元WBAミニマム級チャンピオン(統一はしていない) プロ通算28勝(23KO)4敗 162センチ 86キロ 好きな食べ物 焼肉 趣味 ボクシング観戦


世界王者を13人も輩出している名伯楽で、諒太の師匠でもある。

現役時代は左ボディーの名手で、「150年に1人の天才」と評された。

現役引退後に太ったとのこと。

おおらかな性格で、選手を褒めて伸ばす指導を心がけているが、自身が教えることは少ない。

が、トレーナーからの信頼も厚い。

解説者としても、的確な解説でボクシングファンからの評価は高い。

 「ハァ!? 山本達がボクシングやる!? どういうこと!?」


瑠希菜から山本たち4人が「湘南堀岡ジム」のジム生となったことを聞かされた海華は、訳が分かっていない様子だった。


「わかんないんだよね、それが。『堀岡さんがボクシングやってんのに、舎弟の俺らがやってねえとかおかしい』、って。私だって聞きたいよ。」


「るっちがわかんないんじゃ、どうしようもないんだけど。」


「……まあ別に増えて困ることはないんだけどね、人が。ただ、ああいうやつって真面目にやんなかったりするからそこは懸念してる。」


「……けど、練習には来るんでしょ?」


「そうだね。父さんに直談判したから、アイツら。父さんは真面目にやれば文句は言わないって。」


ただ、ため息を吐く瑠希菜。


正直1人だったので、スパーリングが出来るのはありがたいが、あの4人は瑠希菜に萎縮しきりなので練習になるのかどうかすら疑問。


が、ここで海華が思いがけないことを瑠希菜に言った。


「……()()引退したらボクシングやろっかな。」


「は? 海華、何言ってんの?」


なんでこの学校は突発的に口を突く人間が多いのか……瑠希菜は呆れながら訳を聞いた。


「だってそのさ、山本達の考えだったら……るっちの友達の私がやんなきゃ顔立たないじゃん?」


「入るのは別にいいよ、ウチに入るのは。……ただ()()()()()()()()()()()()()()()()()だからさ、もしやるって言うなら真剣にやって。」


「分かってるよー、それはー。」


まあ、ともあれ夏からの入会者が決まったのだった。



 ……で、まあ、山本達のボクシング経験初日。瑠希菜は一人でミット打ちやトレーニングを熟していく中、山本達は手取り足取り、ボクシングの技術を諒太から学んだのだった。


ただまあ……案の定練習後死にかけ状態になっていたのだった。


「ったく、何この程度でへばってんのさ……大口叩いといてそれ??」


初日だから仕方ないけど、と付け加えながらへばっている山本達に、瑠希菜は苦言を呈した。


まあ初めて半年ということもあるが、瑠希菜は汗はかきながらもへばる気配が全くなかった。


「し、仕方ねえだろ………こんなキツいなんて誰が想像すんだよ……」


山本が息絶え絶えでそう答えた。


ミット打ちもノンストップでこなしたが故だったので、疲労が溜まるのも無理はない。


が、当然、とは言っていいのかは分からないが、谷口はこう答える。


「けどよ、番長……楽しいんだな、ボクシングって。人生で初めて本気で何かやれそうな気ぃするわ……」


戸田も同調した。


「そうだな……ここまでキツいと逆にやり甲斐あるぜ。」


江口もそうだった。


「これでやってけば……番長ともワンチャン互角にやり合えんのかな、これは。」


しかし、これにピクッとなった瑠希菜は、江口に詰め寄る。


「……じゃあ私とスパーやる?」


「は!? いや、今後、って話だったんだけど!? なんか勘違いしてねえか!? 番長!!」


が、江口の釈明に瑠希菜は意に返さなかった。


12オンスのグローブを持ってきて、江口に渡した。


「恭吾、すぐ上がって、リングに……今の差を教えてあげるから。」


山本はいけ、と顔で合図を下す。


「なんでこうなるんだよ……しゃあねえ、やってやらぁ!!」


……まあ結果はお察しの通りだったのだが。



 翌日。


この日は土曜日の早朝。


瑠希菜の自宅前に集められた四人は、諒太にこう言われた。


「お前ら……プロになる気はあるか?」


「ハイ!!」


「お前らを2()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だからまず10キロ走らせる。毎日な。とりあえずストレッチしてから俺と瑠希菜の後をついていけ、いいな?」


「押忍!!!」


諒太の檄でロードワークを開始することになるのだった。


朝6時にこの集団。


ハッキリ言ってしまえば目立つ。


が、気にしたら負けだ。


そんなこんなでロードワークを開始した、湘南堀岡ジムのジム生。


10分経過し、瑠希菜と諒太はスイスイと進んでいくが、山本達は追いつけない。


「クッソ……速すぎんだろ、会長達……」


山本が自分たちとの差を嘆く。


「全くだな、あの二人が凄えだけだよな……」


戸田も同感だった。


「なあ、昌平……何かいい案、ねえか?」


江口はこういう時にずる賢い谷口に何か無いかを聞いた。


谷口は走りながら話す。


「……番長って、スタイルいいよな……()()()()()()()()()()()し。」


突然瑠希菜のスタイルのことを話し始めた谷口。


「お、おう……そうだな……」


山本も照れながら同調した。


「……で、プラスで可愛い、ってなると……追いついたらケツ触れんじゃねえか、って俺は考えてる。」


谷口の思春期特有の性興味発言に、戸田はドン引きする。


「は!? 番長相手でそれやんの!? お前バカじゃねえの!?」


が、意に返さず谷口は続ける。


「だから……10キロ走り終えるまでに番長を抜かす、もしくは追いついたら番長のケツを触る権利を俺たちのそういう()()()()()、これがいいんじゃねえか?」


閃いた、といった表情でこちらを見る谷口。


「マジでやんの? 昌平……ま、そう考えねえとやってらんねえわな……」


ここで乗った山本が号令をかける。


「……よし……堀岡さんのケツを触るために……全力でケツを追うぞお前ら!!」


うおーーーーー!! という掛け声の元で四人は諒太と瑠希菜を追っていったのだった。


全ては瑠希菜に追いつくために。



 一方、スイスイと進んでいく瑠希菜と諒太は、というと。


「……で、父さん、あの四人を教えてどうなの、実際。」


「まあ、センスはあるけどな、特に谷口。アイツは足の使い方が上手い。小柄だからライトフライって感じになるだろうけど、アウトボクサーのディフェンス型で育てようかと思ってるな。で、山本は徹底的にワンツーを教えて、戸田はアイツは腕が長いからフリッカー型のデトロイトスタイル、江口は……アイツはカウンター型だな。正直江口が1番重さが無いからな、パンチ自体は。だから手数で押して、カウンターで仕留めさせるスタイルに転身させる。何せ江口はリズム感がいい。まあセンスがどうとかは努力でどうも埋めれるさ。」


「昌平が、ねえ……確かにそれは思う。まあ広大は重いからね、サンドバッグの音とか聞いてても。」


「そうだな……まあもうちょいで目的地の多目的公園だからこっからギア上げてくか……」


と、ここで二人は、四人の叫び声が聞いた。


「何やってんだ、アイツら……瑠希菜のケツがどうだとか言って……」


「……父さん、ほっとこ。アイツら、()()()()()だから。」


といって、信号待ち終了から二人は一気にギアを上げた。


「……まあボクシングはロードワークで挫折する奴が多いからな。それがアイツらのモチベーションになってくれりゃいいが。」


「うーん……それはいいんだけど、変な方向にモチベーション、持っていかせないでよ? プロ行かせたいって言うなら特に。」


「そこはアイツら次第だからどうにでもなるだろ? 今はボクシングを楽しんでもらうことが大事だから。」


「まあね、練習相手増えるだけでも私にとってはいいし。」


目的地に到着した頃、四人は全力を出しすぎたが故にガス欠になっていた。


無論、瑠希菜と諒太に追い付けていない状態で。

思春期男子の性欲は侮れませんねwww

……まあ、成長としては(性長と言うべきでしょうか?)ある意味正常でしょうけども。

次回はまたジム生が増えます。

抗争の方はもう暫しお待ちを。

次回の登場人物紹介は山本です。

お楽しみに。

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