帰り道その2
「矢印? あっちに行けってことかしら?」
と、ガーコ。
「でも、信じていいのかな?」
と、コロ。
「うーん、道も分からないから、信じてみましょう。」
猫が決めた。
矢印の通りに進むと、山の入り口まで降りることが出来た。
「忘れてた! この山動いてたんだった。」
コロが悲鳴をあげる。
「なんてことなの! 」
驚愕するガーコ。
その時、
「わーっ!!」
「ギャーっ!!」
猫が、戸惑うコロとガーコの背中を体当たりで突き落とした。そして自らも飛び降りる、地面に投げ出された2匹の横で、しゅたっと着地する。
「あんた達、ぐずぐずしてんじゃないわよ。早く帰るんだから。」
3匹は、その後も矢印を追ってひたすら歩いた。
「行きより帰りが楽っていうのは本当ね。」
鼻歌をガーガー歌いながらガーコが言った。
「本当ね、この道案内もありがたいわ。行きもあれば良かったのに。」
ありがたい事に、山が移動して、行きよりも、帰りの距離は縮んでいた。
呑気な2匹の横で、コロだけは、巻き付いた可憐草が痛くて、時々呻いていた。
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