帰り道
「僕の、、ふわふわ、、、わ、綿? 僕の!?」
コロは恐ろしくなって、後ずさる。
「つつ、つまり、僕の体に根を、、、」
「ほほほ。嫌だわ。そんなに恐いことじゃないのよ。ほんの少し、ね? 大丈夫。」
コロは震えながら可憐草を、破けた肩に乗せてみた。すると、根っ子はあっという間に、ぐるぐるとコロの体に巻きつき、破れた穴という穴に入り込む。
「わぁ! 痛い、痛い、痛い!」
「さ、行きましょ。」
可憐草はおかまいなしだ。初めての引っ越しが嬉しくて堪らない。
コロは、トボトボと歩き出した。
前方に、猫とガーコが見えた。
2匹とも、薄汚れて座り込んでいたが、コロを見て喜んだ。
「あ! コロだわ!あんた、無事だったのね!」
「わぁーん。みんな、無事で、良かったわー!」
いつも勝ち気な猫は、おいおいと泣いた。
それから、皆で抱き合って喜んだ。
「ねぇ、コロ、気になってたんだけど、それ、いったいどうしたの?」
猫が聞いてきた。
コロの体にはぐるぐると可憐草が巻き付いている。
「うん、連れて行くにはこうするしかなかったんだ、、、」
沈黙する3匹。
「まぁ、とにかく戻りましょう。」
沈黙を破り、猫が言った。
「でも、帰り道が、、、、!?」
ガーコが言いかけた時、突然、空中に矢印が現れた。
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