冒険の始まり
こんにちは。
書いていて、なんかちょっと想像していたものと違うなと、何度も、何度も感じたのですが、変えられませんでした。
本当は森とか山に行くつもりでした。
本当に暇な方、読んで頂けると嬉しいです。
はぁい。あたいのこと、覚えてる?
猫よ。ソーセージ猫。
あ、そうそう、いい忘れてたのよ。色のこと。
あたいの色よ。
何色を想像してた?
ふふん。聞いてびっくりよ。
あたいってば、緑なの。緑っても、あれよ?
渋めの緑。そおねぇ。渋めの緑茶?ちょっとくすんだ感じ。
なんでって、そりゃもう、その時、家にあった布切れよ。
葉子はその布切れに、命を吹き込んだってわけ。
素敵?
***
ソーセージ猫は、朋美のお気に入りのお人形だ。
朋美が小学2年生の時、2個上の葉子が、夏休みの工作として作り、その後、朋美にくれたのだ。
お出掛けの時も、ご飯の時も、夜寝る時だって、いつも一緒だ。
その猫が、朋美の知らないところで、動き廻っていることなんて、朋美は知らない。
「ねぇ、行った?朋ちゃん。」
誰も居ない部屋の中でゴソゴソと彼らが動き出す。
「うーん、たぶん行った。玄関のガラガラ、聞こえたもん。」
小学生は小学校に行く。さすがに学校にお人形は連れていかれないのだ。
「お気に入りの人形ってのも辛いわね。昨日の夜なんか、涎つけられちゃったわ。」
猫は綺麗好き。
「きゃっ。あんたじゃなくって良かった。
ねぇ、それよりさ、今日、どうする?」
猫の親友のガーコだ。
彼女はカモの人形だ。
以前は右の足を押すと音楽が流れていた。
朋美はそれがお気に入りだったのに、洗濯機で回された後、鳴らなくなった。
「ねぇ、あんた知ってる?」
「何をよ?」
「今から聞くってば。せっかちね。
あのね、キツネのコヨのことよ。」
「あぁ。居たわね。ちょっとすました感じの女でしょ?」
「そうそう、そのコヨがね、最近いないんだって、葉子が騒いでた。」
「あぁ。なんとなく聞いたような気がするわ。それがなんなのよ?」
「あのねぇ、実は、あたい、見たのよ。
昨日、お食事の時のことよ。
暇だからさ、テーブルの上から、テレビ見てたんだけどね、そしたらさぁあ、ソファの隙間にね、コヨがね、挟まってたのよ!」
「きゃーーーーっ!!」
コヨは葉子のお気に入りのキツネの人形で、お母さんが、少し遠出した時に、お土産で買ってきたのだ。手に、トウモロコシが縫い付けてあったけど、遊ぶとき邪魔なので、糸を切って取り外されている。
「すっごいでしょ。あたい、あの子を助けてあげたいと思うのよ。」
猫とガーコの冒険が始まる。
読んで下さってありがとうございます。
更新は不定期になると思います。
出来るだけ頑張ってみます。