夏の終わりに、風鈴を鳴らして
汗をかいて疲れてしまった私の体は、ベッドから動けなくなってしまった
ベランダの風鈴には、筆で赤い金魚の絵が描かれている
今年は夏祭りになんて行けなくて、金魚なんて見なかったというのに
心地よい風、このまま止まないで
一人になりたい時、早く夏が来ればいいのにという気持ちになっていた
梅雨の激しい日、早く真夏になって晴れてほしいと思っていた
だが夏がやってくると、早く涼しくなってほしいと思うようになっていた
矛盾している12カ月の後半戦
もう夏は終わってしまう 今年の夏は二度と帰らない
夢でも見ていたかのようだった
サイズの合わないGパンを履いて、素足でベランダにそっと出て、
乾いた空気を吸い込む
ああ、夏が終わってしまう
背を伸ばして風鈴をちりん、と鳴らした
明日天気になればいい
やってくる9月を、風鈴の音で濁しながら待っている