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声劇台本【夜に潜む影】  作者: 炬燵蜜柑(こたつみかん)
1/1

I see you from behind

【夜に潜む影】

海崎真♂

星裏果南♀

???♂

悪霊♂/♀

ナレ♂/♀


ナレ「この世には人と人ならざるものが住んでいる。人は不可解なことが起これば理由となる事柄を科学的に説明しようとするが、説明がつかないこともある。そんな時、真っ先に疑われるのは人ならざるもの、つまり、霊的な何かや妖の類である。これは、そんな妖と人の友情を描いた物語である…」


海崎「ったく!なんなんだよ、あいつは!」


海崎「はァはァ…っまだ、まだ来るのか?」


悪霊「…………。」


海崎「クソォ!あれ、人間じゃねぇだろ…なぁ!誰か!助けてくれ!」


悪霊「…………。」


海崎「助けてくれ!誰でもいいから…誰か!頼む!」


悪霊「……こ…ろ……s。」


海崎「あいつ今…殺すって…?なぁ!誰でもいいから!頼むこんな所で死にたくないんだ!」


悪霊「ころ……s…て……や……る。」


海崎「なんで俺なんだ?俺は何もしてない…なぁ!聞いてくれよ……俺は!何もしていない!」


悪霊「……。」


海崎「取り付く島もないのかよ……」


海崎M「今は、とにかく逃げないと……」


ナレ「少年は追われていた。人では無い者に。だが、それは動物でもなく、そもそも概念ですらないらしい。しかし、少年は確かに追われていたのだ。」


海崎「おい、まっ……てくれ……よ…」(涙声)


悪霊「ククク…は……まっ…た…な」


海崎「行きどま……り…なんて…なかった…ここに…ないんだよ……ここには…行き止まり……なんて……」(涙声)


悪霊「いただき……まァ…す」


星裏「諦めるには…早いわ…よっ!」


海崎「え……」


悪霊「折角いイ所だったノに…嬢ちゃン邪魔しないデくれル?」


星裏「それはお断りよ!あなた…悪霊の類いね?」


悪霊「そうでモあるシそうジャない。なんせおレたちはおまエらに認識されることによっテ、確定シた概念トなルんだかラねぇ…」


海崎「悪霊って……そんなの」


星裏「君には霊視力があるみたいだわ。だからコイツが見えるのよ。他の人から見たらさっきのは1人ではしゃいでるだけなのよ。」


海崎「俺にしか…見えて……ない…?」


星裏「それは誤解よ。だって、私にも見えるもの。」


海崎「じゃあ君も霊視力が?」


星裏「そうね。私のは……」


悪霊「ごチャごチャうるせェんだヨ!ふたリ纏めテ俺の餌になレ!」


星裏「嫌よ!そっちが消えなさい!」


悪霊「な二も出来やシないクせに!くたばレぇ!」


星裏「フラガラッハ!」


悪霊「なンだその飾りみテぇな剣は…脅し二でも使うノか?」


星裏「これが脅しに見えるかしら?

鎧裂き(ルーネイル)!」


悪霊「俺ハこう見えても硬い鎧二覆われテいる。そんな剣で切れるわけガな……かハッ…」


星裏「言ったでしょ?私のフラガラッハはどんな鎧も切り裂けるのよ。」


悪霊「前言撤回といこうか…俺も本気でやるよ。」


海崎「さっきまでと雰囲気が違う…」


星裏「そうね…厄介だわ。鎧が本体かと思ったら…ただの武装だなんて……コイツ只者じゃないわね。」


悪霊「俺だってここで負けるわけには行かねぇんだ…だ、か、ら、ここで死ねよなっ!」


星裏「くっ……フラガラッハは鎧にしか効果を出せない……」


悪霊「つまり、終わりだよ。嬢ちゃん!」


星裏「あぁっ…」


海崎「ちょっと!お嬢さん!やっぱり俺はここで…」


星裏「諦め…ないで。あなたにも霊視力があるならきっと使える筈……」


海崎「でも、フラガラッハはもう…」


星裏「違うわよ。あなたの神力器よ……」


海崎「そんなの分かんねえよ…」


悪霊「終わりだよ!お二人さん!」


海崎M「終わりたくない……ここで終わりなんて嫌だ。誰か、なんでもいい!力を貸してくれ!」


海崎「グラム!」


悪霊「かはァっ……」


海崎「分かんねえけどやってみる!」


悪霊「馬鹿な…霊視力に目覚めた直後の人間が扱えるものでは無い……」


海崎M「剣が消えた……」


悪霊「一瞬とはいえ…そんな筈……」


海崎「今のうちに逃げよう!お嬢さん!」


星裏「そう……ね…」


悪霊「逃がさんよ!ここで死んでもらうんだから!」


???「本当にしつこい輩だな……手助けしてやるか……」


悪霊「うっ……ゲホッ…………グハァッ…」


星裏「……っ?」


海崎「なんだ?」


悪霊「また……殺しに…来てやる……から……な」


海崎「終わった…のか?」


星裏「良かっ……た」


海崎「お嬢さん!お嬢さん!救急!救急車呼ばないと!」


ナレ「霊視力に目覚めた海崎は救急車を呼び、少女は一命を取りとめた。その後、警察が調べて回ったが、未だ原因は不明。」


―――――――――――――――――――――――――――


ナレ「悪霊事件から2日が経ち、少女はようやく目を覚ました。するとそこには少年の姿もあった。」


海崎「あ!気がついた?」


星裏「おはようございま……って、あなた無事だったのね!……っいたたた…」


海崎「あぁ、無理しないで!君、2日間も寝続けていたんだ…」


星裏「2日……わ、私2日間も寝ていたの?!」


海崎「そうだよ。2日間、ずっと。」


星裏「それで、あなた…いつからここに?」


海崎「2日前だよ。」


星裏「2日前からねぇ……あなた、体は大丈夫なの?」


海崎「俺?俺は大丈夫!問題ないよ。それに、こんな美少女の寝顔、なかなかお目にかかれないからね…」


星裏「あ、あなた、変なことしてないでしょうね?」


海崎「してない!してないから…落ち着いて……」


星裏「それならいいけど…」


海崎「ふぅ…」


星裏「ありがとう。私を庇ってくれて…」


海崎「いや、礼を言うのはこっちだよ。あの時君が庇ってくれなければ今頃……俺は……」


星裏「それならお互い様って事ね。私の神力器では奴は倒せなかったもの…」


海崎「君の言ってるその神力器ってのは一体なんなんだ?」


星裏「そうね……その前に、その『君』っていうの辞めてくれないかしら?」


海崎「ではなんと呼べば?」


星裏「あら、そういえば自己紹介がまだだったわね。私は星裏果南よ。空に輝く星の『星』に表裏の『裏』、果実の『果』に東西南北の『南』で星裏果南よ!呼び方はまぁ、あなたのすきにして頂戴。」


海崎「では、……果南…さん?」


星裏「はぁい。んで、あんたは?」


海崎「え?」


星裏「名前よ名前!名乗ってあげたんだから、あんたも教えなさいよね!」


海崎「ああ、ごめんごめん、俺は海崎真。海に山崎パンの『崎』、真実の『真』で、海崎真だ。」


星裏「では真くん…真と呼ばせてもらうわね。神力器…についてだったかしら…?」


海崎「ああ、頼む。」


星裏「神力器って言うのは……」


ナレ「星裏が神力器について話し出したその時、病室の扉が開き、一人の見知らぬ者が入ってきた。」


???「やぁ、どうも。海崎君に星裏さん。」


ナレ「『それ』はやけに馴れ馴れしく二人に話しかけた。というのも、『それ』は人とは言い難く、全身黒ずくめに顔を覆うマスク、そして、フードを被っており、もはや正体がなんなのかさえ分からなかった。」


海崎「誰だ?お前は!」


???「私か?私は……そうだな…多くのものに『影』と呼ばれている。」


星裏「『影』?聞いたことないわね…」


海崎「なぜ仮面をつけている?」


???「いずれ分かるさ。……それより、海崎君、君は神力器について知りたいんだよね?」


海崎「ああ。そうだ。」


???「ならば、私が教えてやろう。星裏さん、少し海崎君をお借りするよ。」


星裏「待ちなさいよ!」


???「悪いようにはしないさ。安心したまえ。」


星裏「安心って……」


???「フフフ…では、お借りするよ。【スリーパ!】」


ナレ「『影』と名乗ったその者は呪文のようなもので二人を眠らせた。そして、海崎を連れ、夜の闇へと姿を眩ませた。」


ナレ「『影』とは一体何者なのか、そして『影が語る』神力器の力とは……次回【夜に潜む影】第2話お楽しみに。」

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